2021年8月28日

失敗に終わったアフガニスタン退避作戦

C-130

朝日新聞8月28日付け電子版によると、外務・防衛両省は27日、アフガニスタンにいる日本人や日本大使館の外国人スタッフらの退避をめぐり、自衛隊の輸送機で日本人を近隣国に運んだと発表した。退避者は1人で退避先は拠点としたパキスタンの首都イスラマバード。アフガニスタン人は運べなかった。自衛隊機による移送は同日で終わりになる見込み。政府は移送対象として、国際機関で働く日本人のほか、大使館やJICA(国際協力機構)の現地スタッフらとその家族を想定。約500人規模とみており、カブールとイスラマバードの間をピストン輸送する計画だったという。日本人大使館職員12人は17日にすでに英軍機でドバイに脱出している。また関係筋によれば、JICAの日本人職員たちも全員アフガニスタン国外に退去した。一方毎日新聞27日付け電子版によると、政府は、即時退避を希望しなかったごく少数の日本人が現地に残っているとしているそうだ。引き続き退避活動を続けるなら、対象の大部分はアフガニスタン人ということになる。彼らを難民とし日本国内に受け入れるには様々な問題が山積している。どうするのか、明確な計画は公表されていない。また28日付け時事通信電子版によると、欧州各国は27日、自国民や現地協力者とその家族を退避させる作戦を相次いで終了させたという。イタリアのディマイオ外相は希望する自国民に加え、アフガニスタン人約4,900人を退避させたと明らかにした。スペインのサンチェス首相は、想定の3倍の2,200人以上を退避させたと表明し「アフガニスタンの人々を見捨てない」と語った。ノルウェーのエーリクセン・スールアイデ外相は、27日に最終便が首都オスロに到着したと説明、タリバンが権力を掌握後、退避できた人は1,100人以上に上ったという。日本政府の退避作戦は遅きに失した感があり、失敗に終わったと言える。

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