|
茅の輪のくぐり方 |
大祓は6月30日と12月31日に行われる除災行事である。罪や穢れを除き去るための行事だが、6月の大祓は夏越の祓(なごしのはらえ)と呼ばれ、各神社で茅の輪くぐりが行われる。茅の輪の中を「水無月の夏越の祓する人は千歳の命延ぶと云うなり」と唱えながら左まわり、「思ふことみな尽きねとて麻の葉を切りに切りても祓ひつるかな」と唱えながら右まわり、そして最後に「蘇民将来蘇民将来」と唱えながら左まわりと、8の字に3回くぐって穢れを祓う習わしになっている。熱帯低気圧接近の影響で、生憎の雨模様だったが、平野神社に出かけた。昨年の台風21号で倒壊した拝殿の復興は未だ手つかずのようだが、神門にはすでに夏越の祓の茅の輪が飾ってあった。明日の28日から30日にかけて茅の輪くぐりができるが、カヤは引き抜かないほうが良い。実は北野天満宮で一昨日この行事があったのだが、手が届く高さのカヤが全部抜き取られ、余りにも無残なので写真は撮らなかった。茅の輸のカヤを抜いて持ち帰り、家の入口に挿すと無病息災につながるという人がいるようだが、これは逆で文字通り風評に過ぎない。6月25日付け京都新聞電子版によると、北野天満宮は1970年代から、カヤを持ち帰る参拝者に悩まされてきたという。1989年6月26日付の同紙には「十数年前から茅の輪のカヤを自宅の門口に飾る風習が広まっており、この日もお参りの人たちはカヤを次々と抜き取った」という記事が載っているそうだ。智の輪とかけて、茅の輪のカヤを抜いて持って帰る人が後を絶たないようだ。しかし本来は罪や穢れ、災厄をカヤに移すことで無病息災を得るという風習だ。茅の輪のカヤを持ち帰ることは、他人の災厄を家に持ち帰ることになってしまう。
0 件のコメント:
コメントを投稿