2018年8月5日

ローリングココナツビュージャパンコンサート 1977 の記録


CD Box Set SUPER FUJI FJSP313
1977年4月8日から3日間、東京都中央区晴海にあった国際見本市会場で開かれた「ローリングココナツレビュージャパンコンサート1977」を記録した CD が手元に届いた。なんと14枚組ボックスセットである。ライナーノーツの末尾に撮影者として、井出情児、桑本正士と共に、私の名前が記載されている。写真記録チームの名は "FISHEYE 77" で、確かこれは私が提案したものだった。やや記憶は薄れているが、スタッフは10名弱であった。FISHEYE は直訳すれば魚の目だが、写真愛好家なら魚眼レンズをイメージするに違いない。このコンサートはクジラやイルカなどの海洋哺乳類保護を訴えたベネフィットコンサートで、ことの始まりは、青山にあった輸入レコードショップ「パイドバイパーハウス」に、フロリダ州マイアミのドルフィンプロジェクトの青年が訪ねてきたことだったという。応対したのは友人の岩永正敏で、アメリカのマグロ漁の際に撲殺されていた夥しい数のイルカを守る団体だった。つまり日本のみをターゲットにした、アグレッシブな反捕鯨団体ではないということを知ったようだ。とはいえ環境問題に関しては、彼らとの間に様々な見解の相違があったようだ。しかしながらその溝を埋め、ドルフィンプロジェクトジャパンが結成され、大がかりなコンサートを開くことになったのである。コンサート名は1975年から76年にボブ・ディランが行った「ローリングサンダーレビュー」にあやかったものだった。ジャクソン・ブラウン、ジョン・セバスチャン、J・D・サウザー、フレッド・ニール、エリック・アンダースン、デヴィッド・リンドレーなど、当時のビッグネームが来日、日本からも泉谷しげる、イルカ、岡林信康、久保田麻琴と夕焼け楽団、細野晴臣などのアーティストが参加した。おそらく3日間の思い出を書けば膨大な量になってしまうだろう。何しろ14枚組、2万円弱と高価だが、興味ある方はなんとか購入していただき、音楽と共にライナーノーツに記録されてる当時の資料を読んで欲しい。文字通り不眠不休の3日間で、物凄く疲れたことを憶えている。しかし41年ぶりに CD 化された音源を耳にしたら、当時のことが走馬灯のように蘇り、時空を超えた疲労の残骸が、あっという間に心地よさに転化した。

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