すべての時計の針を2時間進めなければならない
たまには自公政権を褒めようと思うのだが、愚策悪策の連発で、実現しそうもない。8月6日付け産経新聞電子版によると、政府・与党は、2020年の東京五輪・パラリンピックの酷暑対策として、夏の時間を2時間繰り上げるサマータイム(夏時間)導入に向け、本格検討に入った。与党はお盆明けにも制度設計に入り、秋の臨時国会への議員立法提出を目指す。2019、2020両年の限定導入となる公算が大きいという。これは8月が酷暑であることを指摘され、政府・与党が慌てふためいた証拠で、姑息な誤魔化し策である。年に2度の時刻の書き換えを要し、会社、家庭、公共機関等に配置されている時計、コンピュータ、GPSその他の機器の時刻の書き換えには、その前後で多くの人的作業が発生する。時間の変更に伴う設定や仕様の変更は広範囲に及ぶことが多く、膨大な作業とそのための電力消費を伴うことが予測されるが、わずか2週間余りの競技のために実行しようとしているようだ。7日付けの Yahoo! ニュースに早稲田大学准教授で精神科医の西多昌規氏が「サマータイムが愚策である10の理由」という一文を寄稿している。
それぞれに解説が付いているが、例えば 9.は「サマータイムの影響は,既に睡眠障害や精神障害に悩んでいる人々にとってはさらに強いと考えられる。日本では世界でももっとも睡眠時間の短い国民であり、現在4~5人に1人が不眠の問題を抱えていると言われる。うつ病やストレスに伴う不眠も多い。メンタルヘルス問題の増加が社会問題化しているところに、サマータイムを導入すればさらにストレス増となることは間違いない。サマータイム開始で睡眠がさらに少しでも減ると、睡眠負債に悩む人たちすべてにとってダメ押しになってしまう可能性大だ」という。アスリートばかりではなく、広く一般に悪影響が出るというのだ。東京五輪組織委員会の立候補ファイルには「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」と明記してあるが、これが大嘘であったことの証でもある。嘘にまみれた東京五輪は返上すべきだが、どうしてもやりたいなら今からでも遅くない、10月に変更すべきだ。サマータイム導入は血税と人的作業の無駄遣いに過ぎない。
東京五輪組織委員会立候補ファイルの表示とダウンロード(PDFファイル 18.0MB)
- 不眠になる
- 自殺が増加する
- サマータイムに慣れるのに意外に時間がかかる
- 寝室環境が劣化する
- 交通事故が増加する
- 心身の病気が増える
- 不登校が増える
- 高齢者の日中の活動が制限される
- 睡眠障害・精神障害がさらに悪化する
- 省エネ効果は意外に低い
東京 2020 五輪は暑過ぎないか? イラスト©サラ・ロジャース |
東京五輪組織委員会立候補ファイルの表示とダウンロード(PDFファイル 18.0MB)
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