2017年7月21日

米国議会図書館が日本の木版画を無料公開

歌川芳虎『外國人物盡』亜米利加・南京(1861年)

米国議会図書館が浮世絵や錦絵など、1915年以前の日本の木版画2,500点を無料公開、非営利目的ならダウンロードして自由に使えるようになった。日本の木版画、特に浮世絵は大量に海外に流失した。その時期は明治初期と第二次世界大戦後の二度に分かれる。浮世絵は本来庶民の娯楽手段だったが、一部の好事家で浮世絵の技術を好んだ人が蒐集や保存していたものが、幕府崩壊で扶持を失うとか生活に困り、手なばしたものが海外に流失した。そして戦後は華族や有資産家の生活苦から資産の分売が起こり、この時も色々な文化財が流出したと言われている。まことに残念な歴史的事実だが、海外の公的美術館が保持、鑑賞でき、さらにデジタル化して公開しているのは不幸中の幸いかもしれない。そのデジタル画像アーカイブだが、ボストン美術館もそうなのだが、すべての解説が英文であることに戸惑う。日本語の説明をというのは土台無理な話だが、例えば「小林清親『百撰百笑』手酷い潰し形」は "Kobayashi, Kiyochika, 1847-1915, Tehidoi tsubushigata" となっている。研究者ならともかく、私のような素人には原題や作者名を探すのに一苦労する。さて米国議会図書館の画像アーカイブだが、その特長は圧縮形式 JPEG の他に、無圧縮の TIFF 形式も用意されていることである。ファイルサイズが大きくなるが、こちらのほうが汎用性が高いと思われる。

The Library of Congress  Library of Congress Fine Prints: Japanese, pre-1915

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