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これは「ムース(ヘラジカ)に跨って川を渡るセオドア・ルーズベルト大統領 1908年」と題し、インターネット上で大量に拡散されているようである。確かに面白い写真で、ソーシャルメディア Facebook のページフィードに流れたときは、危うくそのままシェアするところだった。往々にしてよくあることだが、転載の必須条件とも言えるソースが書いてない。出処不詳ならそれはそれでいいのだが、そのことを記述すべきである。その点を調べるためネットを徘徊したところ、ハーヴァード大学ホートン図書館が
2013年9月20日付のブログに「神話が暴かれた:悲しいことに、セオドア・ルーズベルト大統領はムースに乗ったことがなかった」という記事を書いているのを見つけた。共和党の議員が、当時のウィリアム・タフト大統領の保守化を懸念して、サードパーティ「進歩党(通称ブル・ムース党)」を結成、1912年の大統領選挙にはセオドア・ルーズベルト前大統領を擁立した。しかし結果的には民主党のウッドロウ・ウィルソンに勝利を許すこととなった。大統領選中、アンダーウッド写真商会が「ホワイトハウスのレース」と題し、動物に乗った候補者の風刺戯画を制作した。現職大統領ウィリアム・タフトは象、セオドア・ルーズベルトはムース、そしてウッドロウ・ウィルソンはロバで、9月8日付けのニューヨーク・トリビューン紙に掲載された。肝心のムースの写真だが、ホートン図書館のブログは、ルーズベルトの太ももの部分を拡大している。これを見ると、2枚の写真を貼り合わせた痕跡があり、アンダーウッドが写真を合成したと断言できそうだ。
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