2015年6月15日

花街という俗世界と共存する仏教寺院の半夏生

半夏生
半夏生 建仁寺塔頭両足院(京都市東山区大和大路四条下る)Fujifilm Finepix X100

梅雨の晴れ間、京都市東山区の建仁寺塔頭両足院に出かけた。建仁寺は花街祇園甲部の南側にあるが、花見小路を抜けながら、お茶屋「石幸(いしゆき)」の片隅でお座敷遊びの真似ごとをしたことを思い出した。花街と仏教寺院は同じ「白足袋」の仲間、縁が深いように見える。舞妓時代から知っていた芸妓が引退、祇園切り通しに料理店を開いたので、通うようになったことがつい昨日のように思い出される。その店で建仁寺の高僧と懇意になり「座禅をしてみたい」と懇願したところ「やめておきなはれ」と諭された。座禅の案内を見ることがあるが、それは真の修業とは言い難いものが多く、安易に禅寺に飛びこむと「怪我をし兼ねない」というのだ。僧侶のお座敷遊びは「解脱」ゆえのものかと感心したものである。両足院は半夏生(はんげしょう)の庭で知られる。この花の葉が半分白くなって、化粧しているようになるこの季節を半夏生という。つまり半化粧が転じて半夏生になったわけである。それにしても白塗りの舞妓・芸妓の化粧は艶やかで美しいと思う。清楚で清々しい半夏生なのだが、花街という俗世界と共存しているようだ。

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