2013年3月23日

枝垂桜の老木が撮影そのものを窘めている

枝垂桜 専稱寺(奈良県香芝市畑) Fujifilm Finepix X100

写真家の徳永隆之さんが個展を開催中の奈良県葛城市當麻の古民家ギャラリー「ら・しい」に出かけた。大阪からだと比較的近いのだが、京都からはちょっとした「遠征」になる。近鉄京都駅から橿原神宮前経由当麻寺駅まで、特急を利用しても1時間半もかかるからだ。作品鑑賞後、隣の當麻寺を参詣した。東塔下の塔頭の枝垂桜が見事だったが、あいにく工事中で入れなかったので、写真を撮らずに遠くから眺めるだけだった。仁王門を出て立ち寄った茶店の女将が「専稱寺の枝垂れも見事ですよ」と教えてくれた。奈良の枝垂桜といえば大宇陀の「又兵衛桜」を思い出すが、専稱寺の桜も名木だという。再び近鉄に乗り二上山駅で降り、狭い道を通り抜けると、大きな桜の木が視界に飛び込んできた。境内は狭く、本堂がたった一本の木の付属物の感じがする。それほど存在感がある大木である。「参詣者の皆様へ」という注意書きがあり「近年はマナーの悪い方が多く見受けられます」とある。具体的には「通路に三脚を立てての写真撮影」という指摘である。さらに「本堂前にて本尊阿弥陀如来様に合掌十念の後、足元に注意して桜をお楽しみ下さい」と追いうち。老木が撮影そのものを窘めている。三脚は無論持っていなかったが、数カット撮って、後は目で愛でるだけに切り替えた。

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