2023年6月24日

警察無線を傍受できる唯一のニューヨークの写真家だったウィージー

After the opera
After the opera, Sammy's on the Bowery, New York, circa 1944
Weegee (Arthur Fellig)

ウィージー(アーサー・フェリグ)は1899年6月12日、オーストリアのレンブルグ近郊のズウォチュフ(現在のウクライナのゾーロチウ)で生まれた。 生後まもなく、職業ラビであった父親は、増える家族のためにアメリカに移住した。10歳の若さで、彼も母親と3人の兄弟とともにアメリカに移住した。 当時、アッシャーはアメリカでは不人気な名前だったため、彼の名前は間もなくアッシャーからアーサーに改名された。経済的にますます厳しくなったため、フェリグは14歳で進学を断念せざるを得なくなり、当時よくあったような雑用に従事した。1913年、彼はロウアー・マンハッタンのダケット&アドラー社に暗室技師として雇われた。1924年にはアクメニュース写真社でも同様の仕事をした。ここで彼は写真への情熱を見出した。今では象徴的なニックネームとなったウィージー の由来もここにあるアクメを退社後、フリーランスの写真家として10年間活動。マンハッタン警察本部でそのキャリアをスタートさせた。頻繁に足を運び、何か事件が起きていないかチェックした。しばらくして、このままでは自分を縛り付けることになると考え、車を購入し、警察無線を携えて道路に飛び出し、誰よりも早く事件現場に駆け付けてカメラを構えたのである。

Summer
Summer, The Lower East Side, New York, 1937

1938年当時、ウィージーは警察無線を傍受できる唯一のニューヨークの写真家でもあった。彼はシボレーを携帯用オフィスとし、携帯用暗室、フラッシュ電球、葉巻など、必要なものはすべて常に車のトランクに入れていた。1943年、彼が撮影した5枚の写真がニューヨークの近代美術館に展示された。これらは「アクション・フォトグラフィー」と題された展覧会に出品されたものだった。1945年、初の写真集"Naked City"(裸の街)を発表。著名な映画プロデューサーのマーク・ヘリンガーが、ウィージーからこのタイトルの権利を購入した。1948年、彼の写真はマーク・ヘリンジャー監督の映画「裸の街}の土台となった。ウィージーは映画製作にも手を染め、1946年から1960年代初頭までハリウッドで活躍した。

At Sammy's
At Sammy's in the Bowery, New York, circa 1944

1964年のスタンリー・キューブリック監督作品「博士の異常な愛情または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」の特殊殊効果のコンサルタントおよびスチル写真を担当した。 1950年代から1960年代にかけて、ウィージーはパノラマ写真、写真の歪曲、プリズムを使った写真撮影などを試み、居心地の良い場所から一歩踏み出した。彼の作品の中でも特に物議を醸したのは、象徴的なマリリン・モンローを撮影したもので、彼女の顔は奇妙な方法で極端に歪んでいるが、それでもまだ見分けがついた。1950年のジャック・ドナヒュー監督作品「イエロー・キャブ・マン」に一連の写真を提供した。彼が得意としたイメージを大きく歪めた手法の10年間作品で、批評家の支持を集めた。1960年代にはヨーロッパを広く旅し、ロンドンではポルノグラファーと親しくなり、有名モデルのパメラ・グリーンを撮影した。

Woman signing autographs
Woman signing autographs in car, circa 1948

1966年、彼は「インプの可能性のあるミスター・ウィージー」に本人役で出演したが、これはエクスプロイテーション映画であり、彼がマネキンのようなものに恋に落ちる様子が描かれていた。 1968年12月26日、69歳でニューヨークにて死去。ウィージーの未亡人であるウィルマ・ウィルコックスは、ウィージーの写真プリントの独占的なコレクションを形成するため、1980年にウィージー・ポートフォリオ・インコーポレーテッドを設立してすべての写真をニューヨークの国際写真センターに寄贈した。彼の死後、多くの展覧会が開催されたが、最も注目すべき最大の展覧会は1997年の「ウィージーの世界」だった。2012年に "Murder is my business"(殺人は私のビジネス)と "The Naked City"(裸の街)というタイトルの展覧会がそれぞれ開催された。

ICP  Weegee (1899–1968) | Biography & Archived Items | International Center of Photography

0 件のコメント: