Lee Moorhouse |
リー・ムーアハウス(1850-1926)は、アメリカ合衆国オレゴン州ペンドルトンの写真家であり、ウマティラ族の居留地のインディアンエージェントであった。1888年から1916年まで、コロンビア盆地、特にオレゴン州ウマティラ郡の都市、農村、アメリカ先住民の生活を記録した9,000枚以上の写真を制作した。 アイオワ州マリオン郡に生まれた彼は、幼少の頃、オレゴン・トレイルを旅し、1861年に家族とともにワシントン州ワラワラへ。大人になってからは、鉱山労働者、測量士、牧場主、ビジネスマン、市民リーダー、不動産業者、保険セールスマンとして働いた。インディアンエージェントとして活動するほか、1879年から1883年までオレゴン州軍第3旅団の副司令官を務めた。ムーアハウスは自分をアマチュア写真家だと思っていたが、1880年代には趣味が生活の中でますます重要な位置を占めるようになった。彼はペンデルトンのプロの写真家であるウォルター・スコット・ボウマン(1865–1938)を知っていた。当時のアマチュア写真家とは異なり、ゼラチン乾板ネガ、大型カメラ、三脚など、プロが使うような面倒で厳密な機材を使いこなし、作品を制作した。
彼の作品には、アマチュアの域を超えた鋭い眼差し、歴史への深い理解、自分の世界への強い関心が反映されていると批評家は考えている。上掲の写真の後列右端にムーアハウス自身が収まっている。ムーアハウスが撮影したカユース族、ワラワラ族、ウマティラ族の写真は特に重要である。この時代の他のアメリカ西部の写真家たちと同様、ムーアハウスは先住民の外見、衣装、生活様式を記録している。これらの特徴の多くは、西洋文化の圧力によって消えていくことになる。彼は当時の他の写真家と同様に、被写体をロマンチックに描き、個人的な視点を反映させるために撮影を演出し、そうすることで細部を改変して不正確なイメージを作り出した。
ムーアハウスの場合、先住民を扱った作品の2つの大きなカテゴリーに大きな違いがある。生前、彼の最高傑作とされた部族の人々のスタジオでの肖像画は、ポーズが硬く、おそらく本物ではないだろう。記録によると、ムーアハウスはアメリカ先住民の美術品の膨大なコレクションから、被写体が着ている服や持っている道具を提供した。一方、ウマティラ居留地での先住民の生活については、当時の先住民の衣服や住居を正確に再現している。また、この文化的対立の時代に先住民が経験した社会的・文化的変容の一端を記録している。その画像はウマティラ族の長老たちから過去の記憶を引き出し、先住民の文化のアーカイブとして活用されることが、最近認識されるようになった。ムーアハウスはまた、オレゴン準州の発展に関する重要な様々な画像を撮影した。牧場生活、特に小麦栽培を撮影した600枚の写真は、牧場主やその家、巡回労働者、畑での仕事を記録している。
小さな町やコミュニティの生活、企業、学校、教会、機関車や自動車などのさまざまな交通手段など、多くの画像がある。サーカス、パレード、ワイルド・ウェスト・ショー、特にオレゴン州ペンドルトンのペンドルトン・ラウンドアップの写真には、社会的行事や娯楽が写し出されている。写真集を出版し、自分の作品をモチーフにしたポストカードを作成した。10万枚もの絵葉書が売れたと思われる。1930年代には、彼の写真300点が米国民族学局によって購入された。写真7,000点をムーアハウスi家が1948年にを寄贈、オレゴン大学図書館のスペシャル・コレクション&ユニバーシティ・アーカイブスで管理されている。また1958年頃、ウマティラ郡図書館に1,400枚の画像が寄贈された。以上ウィキペディア英語版の抄訳だが、下記リンク先のオレゴン州立大学の先住民ページに「アンプクア川先住民の歴史」などの学術論文が掲載されている。
History of Native Americans in the Umpqua Region | Oregon State University Disclaimers
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