2021年3月11日

福島原発大破から10年目の3月11日が巡ってきた

TEPCO
東京電力の CI コラージュ

2013年9月7日、総理大臣だった安倍晋三はアルゼンチンのブエノスアイレスで開催された国際オリンピック委員会(IOC)の総会で、招致プレゼンテーション演説をした。冒頭はこんな具合だった。

It would be a tremendous honour for us to host the Games in 2020 in Tokyo - one of the safest cities in the world, now... and in 2020. Some may have concerns about Fukushima. Let me assure you, the situation is under control. It has never done and will never do any damage to Tokyo.

首相官邸はウェブサイトでこれを「委員長、ならびに IOC 委員の皆様、東京で、この今も、そして2020年を迎えても世界有数の安全な都市、東京で大会を開けますならば、それは私どもにとってこのうえない名誉となるでありましょう。フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません」と訳している。福島第一原子力発電所では現在、使用済み燃料の取り出し作業と並行して、はるかに難しい作業にも取り掛かろうとしている。メルトダウンによって生じた、原子炉圧力容器から溶け落ちた核燃料「燃料デブリ」の取り出しだ。やみくもに燃料デブリの取り出しは、途中で行き詰まると専門家は指摘している。

No Nukes Poster
脱原発ポスター展より ©不徳永卍

とてもじゃないが制御統御されているとは程遠い状態である。東京オリンピック招致は真っ赤な嘘から始まったのである。シェアした上掲の脱原発ポスターの作者、不徳永卍さんは「現状、原発稼働なくとも電気は十分賄えていますね。今まで、まんまと奴らに騙されていましたね。このお狭い地震大国に50数基もの原発を建てたのはなんなんでしょうね。その事で一体誰が得をし誰が損をしているか考えればおのずと原発ゼロを目指すことは当たり前のことですね。お互い駄目な事はNO!と言える日本人になりましょう。このままじゃ小ずるい奴らの思う壷です」というキャプションをつけている。福島第一原子力発電所の事故、いや、全国に散在する原子力発電所の存在そのものが負のレガシーであり、その再稼働は許せない。福島の廃炉は困難を極めているが、今後は現存する原子炉をいかに廃棄するか、技術面を含めて課題になるだろう。福島第一原子力発電所を破壊、悲惨な避難民を生んだ、あの忌まわしき東日本大震災から10年目の3月11日が巡ってきた。

disaster  東日本大震災からの10年間 地震の数は年々減少も活発 日頃から備えを注意 | 日本気象協会

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