2018年1月14日

ウーマンラッシュアワー村本大輔の叡智

村本大輔を起用したオホーツク総合振興局のキャンペーン

日頃はテレビと接触する習慣がないので、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」が出演した番組を観たことがない。ただ元旦放送のテレビ朝日系『朝まで生テレビ!』で村本大輔が憲法9条や自衛隊について持論を展開して以来、ネットを通じて様々な情報が入るようになった。彼は私がソーシャルメディア Twitter でフォローしてる唯ひとりの芸能人である。
このツイートはネット社会の本質を突いたものである。彼は『朝生』で非武装中立論を展開、司会の田原総一朗から「もしも日本が米軍と自衛隊がいなかったら、尖閣は中国が取りに来る。取られていいわけね?」と指摘されたが「僕は取られてもいいです」と返答。さらに「沖縄をくださいって言ったらあげるんですか?」と問われると「もともと中国から奪い取ったんでしょ!」と発言したようだ。おそらく「中国から…」はかつて琉球王国が明との朝貢貿易を政策の要としていたという、史実に対する誤認だったと思われる。番組で井上達夫東京大学教授から「無知を恥じなさい」と叱責されたそうだが、これは如何なものであろう。学者たるもの、無知なるものをあげつらうのではなく、親切に解説、諭すべきではなかっただろうか。番組終了後どうやら村本はネットでしつこく攻撃されたらしく「沖縄は中国だったっていう無知の発言をまだネチネチ言ってきてるやついる、それにいちいち、返すのも面倒なので、これで総じて言わせてくれ。反省はしてるし、より勉強しようと思った、失敗からたくさん学んだ」とツイートしている。ネットでは他人の言動を執拗に追及する傾向があり、ソーシャルメディアの最大の問題点である。沖縄タイムスによると、その後、沖縄を訪問した村本は講演で「恥じたら人間どうしますか。隠す、知ったかぶりをする。人はいろんなページを持っているのに一つのページしか見ずに決めつける。知ったかぶりで『沖縄は』『原発は』と決めつける。いろんなページを見ないと物事は分からない。直接聞かないと分からない。無知こそ最強の道具だ」と語り、政治発言を避けるテレビは、つくられた世界の「テーマパーク」と表現。芸能人も「着ぐるみを着たおもちゃ」と風刺したのである。学歴社会に一矢報いた村本大輔にむしろ叡智を感ずるのは私だけだろうか。

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