2016年7月24日

新潮文庫の100冊

大垣書店(京都市北区小山上総町)

書店に「新潮文庫の100冊」と書かれた黄色い帯の文庫本が並ぶと「そうか、学生たちは夏休みなんだな」と気付く。ハードカバーの書籍を避けるようになってから何年になるだろうか。値段もさることながら、小さな書棚が満杯、余程でないと手を出さない。文庫本は小型で携行に便利、増えても置くスペースを圧迫しない。書店で覗くのは、従ってもっぱら文庫本のコーナー。一番が岩波文庫、次が講談社学術文庫、三と四がなく、五番目が新潮文庫といったところである。岩波文庫は記述内容によって、背表紙下部の色で分類しているので探しやすい。講談社の学術文庫はコンセプトがはっきりしているので明快、購入して後悔しないだろうタイトルが並んでいる。その点、新潮文庫はカテゴリーがちょっと分かり難い。書店によっては作家名の札で分類しているが、自分好みの作家の札がなくてがっかりしたりする。ひとつ評価できるのは、栞代わりの紐(スピン)が付いていることだ。手作業で付けるそうでコストがかかるらしい。それにも関わらず堅持しているのは大いに評価すべきだろう。さて今年の「100冊」だが、例えばヘルマン・ヘッセ『車輪の下』や、梶井基次郎『檸檬』など、学生時代に読むべき名作がリストアップされている。夏休み向けの好企画ではある。

Books  新潮社の特設サイト「新潮文庫の100冊」2016

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