バッハのチェンバロ伴奏でフルートを演奏するフリードリヒ大王(18世紀)
Steeve Jobs I・II(講談社)2012年 |
いささか唐突だが、私はボブ・ディランを敬愛してやまなかったスティーブ・ジョブズと、音楽に対する趣向がちょっと似てるような気がする。全く違うのはジョブスが有名で金持ちだったこと、そして私が無名で文無しであることだ。ジョーン・バエズがかつてボブ・ディランの恋人だったという興味から、ジョブスは彼女と親密に付き合うことになった。いささか赤裸々な告白だが、アメリカ人だったとしても、これまた私には到底考えられない逸話だ。ウォルター・アイザックソン著『スティーブ・ジョブズ』(講談社2012年)によると、彼の iPod にはディランやビートルズの曲の他に、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの「ブランデンブルグ協奏曲2番」がストレージされていたそうである。クラッシックの中ではバッハが好きなんだとジョブズは言っていたというが、私もバッハが好きである。その「ブランデンブルグ協奏曲」は典雅なバロック音楽だが、旋律に律動感が溢れてると感ずる。ただ何故ジョブズは「2番」が好きだったのか、伝記には説明されていない。映画『スティーブ・ジョブズ』(2015年)には LSD を服用し、幻覚で麦畑が突如バッハの曲を奏で始めるというシーンがある。流れていたのは第3番第3楽章だった。映画制作者が「3番」を選んだ根拠もまた不明である。余談ながらアップルの iPod ファイルは MP3 形式で音質の劣化を招き、順不同のシャッフル再生は、アルバムという概念を破壊した張本人と言われている。しかしジョブズ自身はオーディオマニアで高価な機器を揃えていたようである。
Bach: Brandenburg Concerto No. 2 in F major, BWV 1047 | Freiburger Barockorchester
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