2022年8月3日

三浦瑠麗「大喪の礼」誤読奇譚

大喪の礼
昭和天皇「大喪の礼」古装束の皇宮護衛官に担がれ葬場殿へ向かう葱華輦(1989年2月24日・新宿御苑)

山猫総合研究所の三浦瑠麗がフジテレビ系情報番組「ワイドナショー」に出演し、天皇と上皇の葬儀「大喪の礼」を「たいもの礼」と言い間違えたため、ネットで集中砲火を浴びている。曰く「日本で少し私が憂慮するのは、天皇陛下の国葬は当然だと、これはもう "たいもの礼" だと。天皇陛下という方は国民のために祈っていただいている、本当にプライバシーを自己犠牲している。だから権威は認めるけど、民主主義で選んだ総理大臣に対して、毀誉褒貶もあろうだけれども、政治はダメってのは民主的にはおかしいと思っているんです」云々。例えば「古文書」は「こもんじょ」だけど「こぶんしょ」といった具合に、人はともすると誤読することがしばしばある。政治家も誤読が多くレベルが低い。かつて安倍晋三は「訂正云々(ウンヌン)」を「訂正デンデン」と読み、麻生太郎が「未曾有(ミゾウ)」を「ミゾウユウ」と読み間違えたことは記憶に新しい。

三浦瑠璃

教育者でもある義家弘介は「便宜(ベンギ)」を「ビンセン」そして「出自(シュツジ)」を「デジ」と読んでいる。皇室典範第25条に「天皇が崩じたときは、大喪の礼を行う」とあるが、確かに「大喪」は「たいも」とも読む。しかし条文はいわば固有名詞で「たいそうのれい」と読めない三浦瑠麗は基本的な教養に欠け、政治学者として恥ずかしいの一言につきる。気になるのは彼女の主張は「天皇陛下の国葬は行われるのに、安倍元総理の国葬はいけないというのはおかしい」という点である。つまり安倍晋三の「国葬」と天皇の「大喪の礼」との比較は、安倍晋三の「国葬」で彼を天皇と並ぶ権威化したいという意図が見え隠れすることである。このところ連日のように、旧統一教会と癒着していた政治家の名前が報道されている。安倍晋三はその旧統一教会を政治利用した広告塔だった。だから同教会によって家庭崩壊された山上徹也容疑者は、安倍晋三を銃弾のターゲットにしたのである。ゆえに疑惑に塗れた安倍晋三の「国葬」強行は民主主義の破壊なのである。

broadcast 三浦瑠麗 | 天皇陛下と同じように安倍元総理は国葬すべきである | ワイドナショー | フジテレビ

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