2022年1月16日

敗訴で強制送還のノバク・ジョコビッチ

Novak Djokovic vs Covid-19
Novak Djokovic vs Covid-19 vaccine ©2022 Emanuele Del Rosso

複数の海外メディアによると、ノバク・ジョコビッチの国外退去に対する控訴は、1月16日(日)、オーストラリア連邦裁判所によって却下された。新型コロナウィルスのワクチンを接種していない、セルビア人のテニス選手の追放を求めた政府が勝訴したのである。長いドラマの終わりである。同裁判所の3人の裁判官は、金曜日に再承認されたのジョコビッチのビザを、公益上の理由から取り消すという、入国管理大臣の決定を満場一致で承認した。そのため、世界ナンバーワンのテニス選手は、史上21個目のグランドスラム・タイトル獲得を目指していたが、月曜日の全豪オープンに出場することができなくなった。土曜日に裁判所に提出した資料の中で、アレックス・ホーク移民相は、新型コロナウィルスのワクチンを接種しておらず、入国書類に嘘を書いたジョコビッチの存在は「オーストラリア社会に健康上のリスクをもたらす可能性がある」と主張した。

COVID-19

また「反ワクチン」を助長し、オミクロンの変種が急速に広がり続けているため、オーストラリア人が予防接種を受けるのを躊躇する可能性があると述べたという。ワクチンを接種しない人は「接種を避けたい」「接種すべきではない」と大きくふたつに分類されると思う。例えば高アレルギー患者の場合、重篤な副作用が起こるのではと心配、接種を忌避する人も少なからずいるかもしれない。いや大丈夫と説得しても尻込みする気持ちは理解できる。問題は後者で、1月15日(土)付けニューズウィーク日本版によると、ジョコビッチは、専門家の見解よりも「ポジティブ思考により食べ物と水から毒を取り除ける」などという類いの持論を信じて行動してきたと指摘し「エセ科学を信じる無責任」と批判している。曰く「オーストラリアの法律を守ろうとせず、国民の命を危険にさらす人物は、国外に追い出せばいい。それだけのことだ」と斬り棄てている。科学的根拠を示すことができないワクチン批判は、影響力がある著名なスポーツ選手だけに、やはり残念ではある。

CNN  Melbourne (CNN) - Novak Djokovic leaves Australia after court rejects visa challenge

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