2016年8月25日

五輪憲章を遵守しないIOCは解体し東京大会は返上すべきだ

日の丸を掲げるメダリスト(リオ五輪)

スポーツそのものは素晴らしいし、それ自体を否定する気持ちは毛頭ない。しかし現行のオリンピックは別である。本来、個人あるいは競技チーム同士の闘いである筈なのに、実態は国家間の争いの様相を帯びてしまっているからである。新聞やテレビは、何個メダルを取ったか、まさに狂想曲のごとく連日報じた。リオが終わったものの、次は4年後の東京開催を目指す喧噪が続くと思うと、うんざりするのは私だけだろうか。オリンピック憲章を紐解くと、第1章6「オリンピック競技大会」には
オリンピック競技大会は、 個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない。 大会にはNOCが選抜し、IOC から参加登録申請を認められた選手が集う。選手は関係IFの技術面での指導のもとに競技する。
と明記されている。さらに第5章56「表彰式、メダルと賞状の授与式」には「表彰式、メダルと賞状の授与式はIOCプロトコル・ガイドに忠実に従い催されるものとする。メダルと賞状のデザインはIOCに提出し事前の承認を得なければならない」とある。さらに同章57「入賞者名簿」には「IOCとOCOG は国ごとの世界ランキングを作成してはならない」とあるのである。つまりオリンピックは国家間の競争ではないから、開会式では国旗ではなく競技団体の旗を持って行進すること、さらに表彰式でも国旗掲揚、国歌演奏せよなんて書いてないのである。国旗、国歌が許されるのは閉会式だけで「優勝旗の掲揚に使用されてきた中央の旗竿の右側に立つ旗竿にギリシャの国歌の演奏にあわせてギリシャの国旗が掲揚される。つづいて、中央の旗竿に開催国の国旗が掲揚され、その間に開催国の国歌が演奏される。最後に、次期オリンピック競技大会の開催国の国旗がその国歌の調べにあわせて左側の旗竿に掲揚される」とあるのみである。

つまり現行のオリンピックは、一番肝心なところでオリンピック憲章を遵守していないのである。これは私ひとりが書いてどうなるというものではないが、現在のIOCは一旦解体、オリンピック憲章を守る組織を作り直すべきである。2020年大会の招致プレゼンテーションで安倍首相は「福島は完全にコントロールできている」と発言した。廃炉が未だに遅々として進まず、汚染水を垂れ流している福島原発の現状を見れば、それが真っ赤な嘘であったことは自明の理である。この虚偽は国家犯罪に等しいといっても過言ではないだろう。これでは国際世界に顔向けできないし、海外からアスリートたちを招聘する資格はない。東京オリンピックは速やかに返上すべきであろう。なお、IOCはかつて浮上した国歌国旗廃止案を葬ってしまった。一橋大学スポーツ科学研究室、黒須朱莉氏の、この件に関する論文を下記リンク先からダウンロードして読むことができる。

PDF  IOCにおける「完全な国歌国旗廃止案」の消滅 1973-1974(PDFファイル 606KB)

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