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有隣堂の10色文庫カバー |
スマートフォンのケースは不思議な存在である。アップル社のiPhoneは研ぎ澄まされたデザインだが、ケースを被せると、その美しいラインが隠れ、せっかくのスクリーンをスポイルしてしまう。にも関わらず量販店のケース販売コーナーには夥しい数のケースが並び、人々は競って購入、薄い筐体をわざわざ厚くして使っている。せめて透明ケースにと思うが、そうでもないようだ。草葉の陰でスティーブ・ジョブスが嘆いているに違いない。これに似て非なるものにブックカバーがある。保護するという点では共通するが、何を読んでいるか分からないように、表紙を他人の目から隠すという目的に使わているからだ。書店で本を買うと必ず「カバーをつけますか」と訊かれるが、海外では見ることができない日本独特の光景である。読んでる本の知られることが「恥ずかしい」というのは、日本人特有の感性だろう。ともすると過剰包装、過剰サービスと思われがちだが、書店側にとって会計が済んでいることが一目で分かるというメリットがあるそうだ。
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出来上がった復刻ブックカバー |
書店経営の難しさは万引き被害を防ぐことだそうだが、それを抑制する効果があるかもしれない。また広告媒体として視認効率が高いので、店の宣伝に寄与するという。ブックカバーを売り物にしている書店も少なくなく、関西に支店がないので手にしたことがないが、
有隣堂は10色の文庫カバーを揃え、客に好きな色を選んでもらっているそうである。また10枚1組(150円+税)での販売もしているようだ。もうひとつの日本の書籍文化の特質である「帯」と共に、ブックカバーのデザインに注目する人も多いようだ。かつては店頭で無料配布していたようだが、現在ではネットで提供されている。丸善とジュンク堂が主体の電子書店「honto」には
ブックカバーサービスのページがあり、期間限定の復刻デザインから他ブランドとのコラボもの、オリジナルカバーまでいろいろ揃えている。PDFファイルをダウンロード、作り方を見ながら印刷して紙のカバーを作ることができる。試しに作ってみたが、なかなか楽しい。オリジナルのカバーを作れば、さらに楽しくなるだろう。
印刷して使えるブックカバー無料ダウンロードリンク集
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