2016年8月22日

炎天下の六地蔵巡り

大善寺(京都市伏見区桃山町西山)

木造地蔵菩薩率像(クリックで拡大)
六地蔵巡りに出かけた。8月22日、23日の両日に、京都市内六ヵ寺にある地蔵を巡拝し、家内安全、無病息災を祈願する伝統行事で、800年も続いているという。市バスと地下鉄を乗り継ぎ、六地蔵駅で降りる。10分近く歩いただろうか、奈良街道沿いの大善寺に着いた。小野篁が一本の大木から六体の地蔵菩薩を刻み、この寺に祀ったという言い伝えがある。当初ここに六体の地蔵尊が祀られていたため六地蔵の名がついたという。後に平清盛が保元年間に西光法師に命じ、六街道、すなわち奈良街道、西国街道、丹波街道、周山街道、若狭街道、東海道の入り口に地蔵堂を建て祀ったことから、六地蔵巡りの風習が生まれたという。境内はすでに参詣客で溢れていた。旅行会社の小旗を持った人がいたので、団体巡拝客なのだろう。お幡(おはた)と呼ばれるお札を授かる人、水塔婆に亡き親族の戒名を書いてもらう人、それぞれだが、私は地蔵堂の中を覗き込んだ。重文の木造地蔵菩薩立像が安置されているが、うっすら化粧しているように見える。風雨に晒され輪郭が曖昧になった石仏に目鼻を彩色した所謂「化粧地蔵」は、元の姿が分からなくになってしまうきらいがあり、疑問に思うが、この像の薄化粧は好ましい。テントに張った紅白の紐に夥しい数のお幡が吊るしてある。一年間家の入口に吊るしてあったものが返納されているのである。六地蔵を全て巡ると、六色のお幡を授かることができる。何しろ猛烈な炎天下、公共交通機関と徒歩のみで回る自信はないが、再び地下鉄に乗り、西国街道の浄禅寺に向かった。

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