2011年8月25日

天神さんの骨董人形に惹かれる

骨董人形 北野天満宮(京都市上京区馬喰町) Fujifilm Finepix X100

京都市下京区のギャラリー「繭」で開かれている写真展を観た後、四条河原町に出て昼食を摂った。再びバスに乗り、北野天満宮で降りた。出がけに前を通り縁日「天神さん」の日であることを思い出したからだ。縁日は神仏との有縁の日のことだが、北野天満宮では毎月25日、骨董を中心にした露店が並ぶ。と簡単に骨董と書いたが、厳密な定義に従ってではない。広辞苑によると骨董は「種々雑多な古道具。また希少価値あるいは美術的価値のある古道具・古美術品」とある。英語のアンティーク(Antique)は、ウェブ百科ウィキペディアによると「製造された時点から百年を経過した手工芸品・工芸品・美術品」と定義されてるそうだ。骨董品を見分ける力は無論私にはない。だから天神さんに並ぶ古道具が果たして百年を経過したものか知るよしもない。単に「種々雑多な古道具」という認識しか持ち合わせていない。それはともかく、天神さんはヨーロッパの蚤の市に相当するものであろう。ところで先月中旬に「人形が持つ翳りの魔力」という一文を寄稿したが、ここでも私は人形に視線が傾斜してしまう。その骨董的価値は分からないが、籠に入った雛人形に惹かれて長い間立ちすくんでしまった。店主に「買いなはれ」と勧められたが「いらなくなったときどうしよう?」と尻込みする。すると「人形供養したらよろしがな」という。頭の中で別の言い訳を探しながら「そういえば京都には、宝鏡寺門跡粟嶋堂宗徳寺がありますね」と半分口ごもる。結局「また来月来ます」と誤魔化し気味の言葉で弁解したのである。天満宮の北側に出ると、今度は西洋人形が目に飛び込んで来た。バッグからカメラを取り出し、もう無駄口は叩くまい、と自分に言い聞かせながら「写真を撮っていいですか?」と訊ねた。

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