2021年9月13日

大恐慌時代の生活を記録したFSAプロジェクト

Russell Lee
Russell Lee (1903-1986) Farmer, his wife, and brother in close harmony. Pie Town, Catron County, New Mexico, June 1940.

多くの政府機関がそうであるように、FSA(Farm Security Administration; 農業安定局または農業保障局)も広報部を設置して、自分たちのプログラムが何を達成しようとしているのか、どんな問題を解決しようとしているのかを、一般市民や議会に説明できるようにした。しかし、大恐慌の絶望感とニューディーラーの宣教師としての熱意から、FSAはこの時代を記録することにおいて、それ以前にも以後にも、他のどの機関よりもはるかに優れていた。FSAが8万点を超える大恐慌時代のアメリカの写真コレクションを構築したのは、優れた写真家とそれを導く優れた管理者を雇ったからだ。ロイ・ストライカー(1893-1975)は、コロンビア大学で経済学を学んだ後、FSAの「歴史部門」の責任者として採用された。上司のレックスフォード・タグウェル(1891–1979)によれば、彼の仕事は「都会の人々に農場での生活を見せること」だった。現場から写真が返ってくるようになると、ストライカーはそれを出版するために努力した。全米の新聞は、砂嵐の原因や出稼ぎ労働者の窮状を伝える記事とともに、FSAが撮影した写真を掲載したのである。

Jack Delano
Jack Delano (1914–1997) Florida migrants on their way to New Jersey, to pick potatoes. North Carolina, July 1940.

また"LIFE" "LOOK" "Survey Graphic" など、当時、影響力のあった雑誌にも写真が掲載された。ニューヨークのフォトリーグのようなギャラリーでも、FSAの作品が展示された。ニューヨークのフォトリーグのようなギャラリーでも、FSAの作品が展示された。 ストライカーはアメリカの生活全般を記録することを目的としていたが、彼の写真家たちは特にアメリカの農村部に注目していた。、経済全体における農業の重要性について、ニューディールへの理解を共有していたのである。そして新しい世代がそれぞれFSAの写真に触れるようになった。それは作品の質の高さもさることながら、全コレクションが出版社に著作権フリーで提供されているからである。政府のために制作された作品なので、プリントはわずかなプリント代で米国議会図書館から購入することができる。参加した主要な写真家は、ジャック・デラーノ(1914-1997)ウォーカー・エヴァンス(1903-1975)セオドア・ヤング(1906-1996)ドロシア・ラング(1895-1965)ラッセル・リー(1903-1986)カール・マイダンス(1907-2004)ゴードン・パークス(1912-2006)アーサー・ロススタイン(1915-1986)ベン・シャーン(1898-1969)ジョン・ヴェイション(1914-1975)マリオン・ポスト・ウォルコット(1910-1990)アルフレッド・T・パーマー(1906-1993)などである。

The Library of Congress  Farm Security Administration/Office of War Information Black-and-White Negatives

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