2021年9月24日

日本のフェミニストが高市早苗候補を嫌う理由はこれだ

akeichi with Rising Sun Flag
強硬な保守派高市早苗

ヴァニティ・フェア(Vanity Fair)イタリア語版が、9月23日付けの電子版に「日本のフェミニストが高市早苗候補を嫌う理由はこれだ」という記事を掲載した。アメリカ合衆国のコンデナスト・パブリケーションズが発行している月刊誌で、英語版の他に5つの国際版が発行されている。以下はその抄訳である。

強硬な保守派である彼女は、男女共同参画に関心を持つことはほとんどなく、女性の権利をさらに低下させるような政策も支持している。日本初の女性首相になるかもしれない高市早苗(60歳)は、健康上の問題で辞任した安倍晋三元首相の支持を受けている。現在、国会における女性の割合は15%以下であり、現政権の21人の大臣のうち女性は2人しかいない。また世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダーギャップに関する調査によると、世界第3位の経済大国である日本は、156カ国中120位となっている。

しかし高市早苗が当選することは、歴史的に重要な一歩であるにもかかわらず、女性解放を支持する日本の男女にとっては、あまり魅力的ではない。強硬な保守派で、男女平等にはほとんど関心がなく、妻が夫の姓を使うことを義務付ける法律など、女性の権利をさらに低下させるような政策を支持している。離婚した高市によると、この法律を変えると、離婚や不倫が増える可能性があるとのこと。また高市は同性婚や、女性が天皇として統治するための法改正にも反対している。また安倍晋三氏をはじめとする保守派の人々と同様に、第二次世界大戦中の日本の残虐行為は誇張されていると主張している。

今月、保守系の雑誌『文藝春秋』で行った講演では、男女平等やその他の権利については語らなかった。それよりも「大胆な金融緩和」「柔軟な財政出動」「投資」によってインフレ率を2%上昇させることを目標とした経済政策に注目することを優先した。

日本の政治、特に国政レベルでは、女性の地位向上に苦労している。アナリストによると、彼らは政治的影響力を得るためには、必ず右翼でなければならないという。上智大学政治学部の三浦まり教授は、ニューヨーク・タイムズ紙に「女性であることの不利を補うためには、保守派に過剰な忠誠心を示す必要がある」と説明している。

"それはつまり、反フェミニストでなければならないということだ"

ずばり核心を突いた記事で分かりやすい。ヴァニティ・フェアは、主に大衆文化、ファッション、時事問題を扱っている一般向けの雑誌で、左翼誌ではない。筆者のモニカ・コヴィエロ(Monica Coviello)はベジタリアン料理が得意なジャーナリスト。ジェンダー平等思想は今や世界の潮流で、彼女が高市早苗のいわば「女性が唱える男尊女卑」を批判するのは当たり前の感覚と言える。この点を問題にしようとしない日本のメディアこそ問題なのである。下記リンク先でイタリア語の原文を読むことができる。

magazine
Giappone, ecco perché Sanae Takaichi, candidata a primo ministro, non piace alle femministe

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