2016年9月7日

西陣の喫茶店「静香」の復活

静香(京都市上京区今出川通千本西入る)

古い栓抜きやマッチ(クリックで拡大)
確か6月の半ばだったと記憶しているが、西陣の喫茶店「静香」の前を通ったら、ドアが閉まっていて「しばらく休みます」という意味の張り紙が貼ってあった。もしかしたら女主人のKさんの身体の具合が悪いのかと心配した。ところがその一か月後だっただろうか、工事用のシートがかかっていたので、中に入ったら作業員が「天井と壁の傷みが酷いので改装しています」とのことだった。今日、そのことを思い出して寄ったら一か月前に新装開店したという。椅子やテーブルは前のままだが、天井と壁は真っ白に塗り替えられている。ドアの枠など赤いペンキが古い建物にマッチしている。ただKさんはやはり体調が思わしくないらしく不在だった。私がこの店に最初に入ったのは余りにも古い話で、何時だったか思い出せない。1980年代の中頃、週刊誌『アサヒグラフ』で京都の古い喫茶店を特集、掲載したところKさんに喜んで貰ったことを覚えている。今でも健在な河原町通界隈にある「フランソワ」「ソワレ」「築地」「六曜社」、京大前の「進々堂」、そして聖護院近くのジャズ喫茶「YAMATOYA」などが私のお気に入りであるが、とりわけ好きなのがこの西陣の「静香」である。外資系の喫茶店の進出はまさに雨後の筍のごとき感があるが、私は滅多に入らないことにしている。特に20店以上あるスターバックスは、遺伝子組み換え作物の種で悪名高いモンサント社との黒い関係が取り沙汰されているので、絶対に入らない。それはともかく、京都には高田渡さんの歌『珈琲不演唱』で全国的に有名になった「イノダコーヒ」の存在など、喫茶店文化が深く根付いている。そのことをこの街に住む誇りにしたい。

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