建設中の豊洲市場(2016年5月中旬)©東京都中央卸売市場
9月17日、18日に実施されたFNN世論調査によると、小池都知事の働きぶりについて、評価するが86.3%、評価しないが8.0%だったという。築地市場の新しい豊洲市場への移転を延期したことについては、妥当だと思うが88.2%、思わないが7.1%だった。豊洲市場問題が「小池劇場」の幕開けとなった。土壌汚染問題の議論はまさに液状化状態だが、簡単に終止符を打てない状況になっている。移転やむなしとすれば、期待を抱いた人々を裏切ることになり、人気が失墜する可能性がある。逆に移転は白紙撤回と結論したらどうだろか。
築地市場は、東京の台所である。その台所をベンゼンやアセンといった危険極まりない物質を含んだ土地に移すことは、率直に一生活者として不安である(中略)工法を工夫しながら、現在の場所(築地)で建物だけを建て直すのが一番妥当と思われる。私は知らなかったのだが、小池都知事は市場移転問題に関して2008年に出版した『東京WOMEN大作戦』(猪口邦子・佐藤ゆかりとの共著)で、以上のように明言しているそうだ。8年前の提言だが、これが可能なら賛同する人が少なくないと思われる。しかし竣工前ならともかく、ほぼ出来上がった豊洲市場、もう後戻りできないと、何が何でも移転を進めようとする力学が加わるだろう。もし踏み切れば、莫大な額の税金が費やされことになり、小池叩きの雪崩現象が起きるかもしれない。つまりどっちに転んでも「小池劇場」の幕が降ろされる。私個人としては白紙撤回案に賛成、可能ならそうしたほうが良いと思う。そもそも生鮮食品を扱う市場の移転先を豊洲にしたのが間違いだったのである。今後の展開をを見守りたい。