2015年12月9日

歩道拡幅で四条通は歩きやすくなったか

拡がった歩道(京都市下京区四条通新京極東入る)

京都の商店街、四条通の歩道拡幅が完成し、先月半ばに完成式典が行われた。工事の目的は歩道が買い物客や観光客で混雑する状況を改善するためで、往復4車線の道路が2車線になった。京都新聞によると四条繁栄会商店街振興組合の堀部素弘理事長は「出来上がった歩道を歩いたお客さんから『やってよかったね』と言っていただいている」と話したという。工事中は渋滞が悪化、同じ計画していた東大路通の工事着手を見送ることが決まるという余波が生まれた。さて工事を終えた通りを歩いてみると、広くなった部分は確かに歩きやすく、気持ち良い。しかし歩道の幅が場所によって増減するのはやはり気になる。6月に「京都四条通歩道拡幅工事の無理」というやや否定的な一文を当ブログに寄せた。


Before and After

私は「タクシー乗り場と、沿道アクセススペースが設けられ、歩道が砂時計のくびれのように狭くなり、折角の拡幅が台無しになっている感は拭えない」と指摘した。バス停もくびれの原因になっている。様々な思惑の折衷案だと思うが、だから人の流れがスムーズになり、大幅に歩きやすくなったとは感ずることができない。そして何よりも残念なのは、都市の景観という側面で改善されたとは思えないことだ。前回も指摘した通り、かつて四条通に路面電車を復活し、クルマの乗り入れを制限するというプランがあったが、いつの間にか霧散、夢のまた夢のままである。部分的な改造は都市の美しさを生まない。国際観光都市である京都に求められるのは大局的な所謂「アーバン・ランドスケープ・デザイン」ではないだろうか。

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