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黒檀のブリッジピン |
何年ぶりだろうか、久しぶりに古いギターを引っ張り出してみた。約30年前に入手した、
神田・カワセ楽器のオリジナルで、大きさはクラシックギターと同じである。本当はマーティンのニューヨーク・モデルが欲しかったのだが、とても手を出せる値段ではなかった。調弦したところ第六弦のブリッジピンが浮いてしまった。抜いてみると破損していたので、新しいピンを
「アコースティックギター@パーツネット」から取り寄せた。フィドルのブリッジを楽器店で調節して貰ったら驚くほど音質が向上したという経験があるが、ギターにとってもブリッジは重要らしい。ブリッジピンは弦をブリッジの穴に固定するだけのものかと思っていたが、弦の振動を直接受ける重要な役割を持っているパーツだそうである。プラスチック素材もあるが、グレードアップには木材や骨材、角材が良いという。弦もついでに新しいのと取り換えたので、その影響を聴きわけることが難しいが、劇的ではないが、音が良くなったような気がする。ところでクラシックギターは、ガット弦をブリッジに結ぶだけのようだが、ウィーンスタイルのギターを築いたヨハン・ゲオルク・シュタウファー(1778~1853)のギターはブリッジピンが使われていた。その弟子だったオーヴィル・ヘンリー・ギブソン(1856~1918)がアメリカに渡り、シュタウファースタイルのギター作りを始め、鉄弦を使ったアコースティックギターの基礎を固めたのである。蛇足ながらアコギという呼び方はどうしても馴染めない。やはり決して良い意味ではない「阿漕(あこぎ)」を連想してしまうからだ。
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