2026年6月20日

原口一博が憂慮する高市早苗自民「滅びの平家物語」とは

原口一博・高市早苗
市早苗首相と30年来の知人だという原口一博が首相を"仮面右翼”と一蹴した

NEWSポストセブン(2026/06/16)より転載。「高市内閣から突きつけられた“解散”というカードに怯えて禁じ手を取ったのではないかと。私は彼らの指示に従いませんでした」──さきの衆議院選挙で野党第一党だった立憲民主党が公明党との“野合合流”へ舵を切る中、「有権者に対する裏切りである」と反旗を翻して同党を離党。結果として党単独の当選数では惨敗を喫した立憲民主党を横目に、政治団体「減税日本・ゆうこく連合(以下、ゆうこく連合)」を立ち上げた原口一博氏。 かつての野党第一党を自ら離れた政治家はいま、日本をどう見ているのか。30年来の後輩だという高市早苗首相に対する“批判”や、日米関係にまつわる懸念を交えて赤裸々に語った。

──原口氏と高市首相は、国会で党派こそ違えど、非常に古い付き合いだと伺っています。

原口一博氏(以下、敬称略):彼女は僕の松下政経塾の後輩ですからね。彼女が23歳くらいの時からずっと見てきました。当時の彼女はひと言で言えば『女ヤンキー』。尖っているから周囲からもよくいじめられていたけれど、根はものすごく優しい人なんですよ。私的な思い出話を一つすると、僕が24歳の時、当時『この人と結婚する』と思い詰めていた女性に振られて、ものすごく落ち込んだことがあったんです。その時、後輩の高市くんがまる1週間、付き添って慰めてくれた。彼女は僕に『先輩、ほかにも女なんてたくさんいますよ』って声をかけてくれた。あのとき、彼女の優しさには本当に救われた。国会議員になってからも、僕は彼女が困っている時はたびたび助けてきました。

──さきの選挙戦でも、やり取りはあった?

原口:選挙の時、高市くんから僕のところに直接メールがきました。メールには「兄さん、今回助けてください」などと書いてあった。僕は彼女の愛嬌にだまされて、思わず応援してしまいました。これは僕の大失敗です。現在の彼女の政治姿勢を見ていると、本当に応援しなければよかったなと思う。

──親しかった高市総理に対し、なぜそこまで幻滅したのでしょうか。

原口:今の彼女は、本当の自分を隠して『右翼仮面』を被っているからです。今の時代、右翼的なポーズを取ればネットでも世間でもウケるから、彼女はその仮面を選んだ。でも、本来の彼女はそんな人間じゃない。松下政経塾時代、彼女が傾倒していたのは、のちに『プログレッシブ・コーカス(進歩派議員連盟)』の創設につながる、アメリカ民主党の中でも最も左派、共産党に近いようなグループの思想でした。それが今や、総理の座を守るために靖国参拝や皇位継承の問題にまで手を付けようとしている。右翼仮面を被って、付け焼き刃の保守を演じているから、本質的なところでボロが出る。僕は彼女に『さっさとその右翼仮面を脱げ』と何度も言い続けてきたんです。しかも彼女は、本人が師と仰いでいる安倍晋三氏とは決定的に違います。安倍さんの周りには損得抜きで集まる本当の意味での"同志"がたくさんいた。しかし、高市くんは本質的には孤独な人です。最近では官邸の中で秘書官とも信頼関係が築けず、会話ではなく紙でやり取りしているという話すらある。自分の本当の"同志"をもたぬまま、ただ自民党という魔窟の中で神輿に担がれてしまったのが、彼女の悲劇です。

──先ほど「高市はもともと右翼ではない。変わってしまった」と発言していました。その変節は、具体的にどのあたりに現れていますか?

原口一博氏(以下、敬称略):顕著なのは外交と経済です。高市政権になって「トランプ大統領との対話のテーブルにつけた」と喜んでいる国民がいますが、実態は真逆。日本はただ、アメリカに都合よく利用され、富を売り飛ばされているだけです。日本側は、対米投資として『85兆円の仕組み』を提示していました。3分の1が政府系金融機関、3分の2が民間資金という計画です。私は最初、政策ブレーンたちがトランプを騙すために作った、「絵に描いた餅」だと思っていました。民間がそんな巨額の投資を出すわけがないからです。しかし、流石のアメリカ側もその欺瞞に気づいた。そこで、今年の3月19日、アメリカは高市総理をワシントンに“呼び出し”、あたかも“査問”のように『あの85兆円はどうなっているんだ』と突き上げたわけです。その結果、高市総理は何を決めて帰ってきたか。アメリカ国内の電気代を安くするための投資として、日本人の血税などから6.3兆円を差し出すことを約束させられたんです。いま、日本の国民は電気代やガソリン代の暴騰に苦しんでいて、政府が出した国内対策費はわずか2兆円。なぜ、困窮する日本人に2兆円しか出さない総理が、アメリカ人のために6.3兆円も貢ぐのか。還流なんて綺麗なものじゃない、これはただの“カツアゲ”、巻き上げです。

──物価高対策の全体規模は約11.7兆円です。電気代・ガス代支援などに自治体が柔軟に使える「重点支援地方交付金」の予算規模が2兆円、ということですね。

原口:彼女はトランプの言いなりになって、日本の国益を売り飛ばしている。たとえば中国の習近平はレアアースやサプライチェーンを武器にトランプと取引しているが、日本は外交カードを何ひとつ持っていないのです。

──高市総理といえば「減税派」であり、消費税減税などを訴えて支持を集めてきた印象があります。

原口:間違いなく、彼女は元々「減税派」でした。僕らが松下政経塾時代、中曽根内閣のブレーンだった先輩たちから受け取った遺言は、「自分たちはアメリカに負けて、消費税導入のレールを敷かされた。しかし、君たちが国会議員や大臣になった時は、この“日本弱体化装置”を必ずなくしてくれ」というものでした。高市くんも、その教えをずっと胸に留めて政治をやってきたはずです。それなのに、総理になった途端に毛色が変わってしまった。「2年間の食品消費税の0%実現」などでお茶を濁し、さらにインボイス制度を残して売上1000万円以下の事業者からも税を搾り取ろうとしている。

──高市首相が主義や主張を変えた、と。

原口:裏で脅されたんじゃないですか。彼女を裏で操り、もろもろを妥協させた張本人は、麻生太郎氏でしょう。高市くんは麻生氏の後押しがあったからこそ総理大臣になれた。それなのに、総理になった途端、麻生氏に事前に相談も仁義も切らずに勝手に衆議院の解散に踏み切り、さらには自分の都合のいい人間を議長に据えようとした。麻生氏からすれば「こいつはいうことを聞かない」と思っているでしょう。 政治の世界は、ある意味で任侠の世界と同じです。いくら総理大臣になったからといって、最大の恩人に対して仁義を切らない奴は、その瞬間に終わりなんです。今の彼女は完全に牙を抜かれており、かつて主張していた政策は、おそらくひとつも実現できないでしょう。

──では、高市政権の寿命は長くないと考えている。

原口:寿命どころか、政治的にはもう“詰み”です。自民党の内部では、誰も高市くんの言うことなんか聞いていない。多くがすでに”ポスト高市”に向けて動き出しています。国会の会期末である7月11日に向けて、高市政権には悪いことしか起きないでしょう。まさに「おごる平家は久しからず」。高市早苗という神輿を担いだ自民党の平家物語は、いま、“壇ノ浦の決戦”で滅びゆく瀬戸際にあるのです。

引用はここまで。高市早苗は社会全体が右傾化している流れに乗るため、あるいは安倍晋三の歓心を買うために右翼的言動をしていたが、それは高市の確固たる思想を反映したものではないという。下記リンク先は古賀茂明の AERA への投稿記事だが、高市早苗が保守政治家を擬装したのは、安倍晋三の歓心を買うためだったという解説にはナルホドと思った次第である。

  高市首相の本質は「右翼的なポピュリスト」に過ぎず本当の意味での保守あるいは右翼とは言えない

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