2025年6月27日

イランの核施設はアメリカ軍の爆撃で完全破壊されたか

Bunker Buster

ドナルド・トランプ大統領は、自身が創設したトゥルースソーシャルに「イランのフォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの3つの核施設への攻撃は大成功を収めた。すべての航空機は現在イランの領空外にある」「主要施設フォルドゥに爆弾を投下した。今こそ平和の時だ。アメリカ、イスラエル、世界にとり歴史的な瞬間だ。イランはこの戦争を終わらせることに同意しなければならない」と投稿した。トランプは初めて立候補した2016年大統領選で「イラク戦争は大きな間違いだった」と訴え、当時の共和党主流派を批判した。対外軍事関与を弱める「アメリカ第一」のかけ声は、終わりなき戦争に疲弊したアメリカ国民の心に響き、政治経験のないトランプを当選に導いた。ホワイトハウスは6月26日「専門家は一致:イランの核施設は破壊された」と発表した。これは6月24日付け CNN の記事「独占:アメリカの初期情報評価では、イラン攻撃は核施設を破壊しなかったと情報筋が述べている」に呼応したものかもしれない。

(CNN) - 先週末のイランの核施設3カ所に対するアメリカ軍の攻撃では、 同国の核計画の中核部分は破壊されず、計画を数カ月遅らせた程度にとどまったと、状況を把握している7人の関係者が述べた情報機関の初期評価で明らかになった。これまで報道されていなかったこの評価は、国防総省の情報機関である DIA(国防情報局)が作成したものだ。情報筋の一人によると、この評価はアメリカ軍の攻撃後に中央軍が実施した戦闘被害評価に基づいているという。施設の被害状況と、今回の攻撃がイランの核開発計画に及ぼした影響に関する分析は現在も進行中であり、新たな情報が入手されれば状況は変化する可能性がある。しかし、初期の調査結果は、ドナルド・トランプ大統領が繰り返し主張してきた「今回の攻撃によってイランの核濃縮施設は完全に壊滅した」という主張とは矛盾している。ピート・ヘグゼス国防長官も日曜日に、イランの核開発計画は「壊滅した」と述べた。評価に詳しい関係者2人は、イランの濃縮ウラン備蓄は破壊されていないと述べた。関係者1人は、遠心分離機はほぼ「無傷」だと述べた。別の情報筋によると、情報機関が評価した濃縮ウランは、アメリカの攻撃前に施設から撤去された。(以下略)

トランプ大統領はイランの核施設が完全破壊してと主張、不完全という報道は「フェイクニュース」と切り捨てるだろう。 軍事問題に関しては不案内で語る資格はないが、イランも Bunker Buster(地中貫通爆弾)攻撃へ備えていただろうし、核開発計画が「壊滅した」とは思えない。ただ一連の軍事衝突は遠い中東に限ったものではなく、日本にも関係する。核兵器は、国家の安全保障を確保するための手段として認識されている。特に、周辺国に核兵器を保有する国がある場合、自国も核兵器を保有することで、安全保障上のバランスを保つことができるという考え方があることである。

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