この絵はダニエル・セレンタノ(1902–1980)が1935年に描いたニューヨークの地下鉄電車車内だ。満員電車だが、乗客が新聞を読んでいる。ニューヨークの地下鉄は1904年に開業したが、少なくとも20世紀末までこの光景が続いたと思われる。日本でも朝の電車で新聞を読む通勤客が多かったが、大きな紙面は広げることができなかったため、コンパクトなタブロイド判が普及するようになった。それでも日本のラッシュアワーの込み具合は異様で、首都圏などではタブロイド判でも広げることができない状態だった。およそ100年を経過、アメリカでも日本でも、スマートフォンが凌駕、車内で新聞を読んでいる人は稀有である。いや電車やバスの中だけでは、多くの人たちが新聞の購読をやめ、ニュースをスマートフォンやパソコンで入手するようになってしまった。ときにネットで「マスゴミ」と揶揄されることがあるが、新聞、通信、放送記者が取材した記事がニュース配信サイトのソースになっていることを忘れているのだろうかと思うことがある。
私は「Amazonに頼らない生活」を始めてからずいぶん久しいが、ふと、例えば「ニュース配信サイトに頼らない生活」をしようかと思うことがある。Yahoo!ニュースなど、いろいろなサイトがあるが、私はマイクロソフトのMSNニュースは避けている。スポーツ紙に掲載された、橋下某、ひろゆき某などの発言を顔写真入りで大きく取り上げているからだ。閑話休題。ついニュース配信サイトを覗いてしまうが、折角購読している新聞をちゃんと読むべきだと自戒している。1月22日付け smartFLASH に池上彰の「新聞はオワコンじゃない」という興味深い記事が掲載されている。曰く「新聞は情報量も非常に多い。朝刊の文字数は、およそ20万字。新書2冊ほどの分量に当たります。毎日、新書2冊を読むのは難しいかもしれませんが、一覧性のある新聞は全体を見渡すだけでも価値はありますし、そこで気になった記事を読めばいいのです」という。
池上彰 | 部数減で苦境も…新聞はオワコンじゃない 読まない人は損をします | smartFLASH
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