2018年6月2日

夏草や君わけゆけば風薫る

平野神社(京都市北区平野宮本町)

ここ数日、寒暖差が激しい。今日は天空が 360° 晴れ上がり、炎天下の街路から逃げるようにして平野神社の境内に飛び込んだ。春には花見の床几が並び、酔客の喧噪に包またる西大路側は人ひとりいない。鉄柵に囲われた桜苑は、雑草に覆われている。この近くに大きな河はないが、与謝蕪村の句を思い出した。
夏河を越すうれしさよ手に草履
しばらく散策していると、白い斑の葉が目に止まった。花の葉が半分白くなって、化粧しているようになる半夏生(はんげしょう)とは違う。紫陽花、正式名は斑入額紫陽花である。京都市観光協会の「花だより」に四季折々の開花情報が載るが、平野神社は桜以外は対象外らしく、この花は知られていないようだ。江戸時代から栽培されてきた古品種だそうである。平野神社は私の散歩コース、自らの小さな発見に癒される。

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