Donald Trump and Vladimir Putin ©Dave Granlund
記事としてはいささか色褪せた感は否めないが、フィナンシャルタイムズ紙11月18日付社説が、ロシアのプーチン大統領との悪い取引は、取引が無いことよりも悪いとして、トランプ米国次期大統領による、対ロシア関係改善の動きに自重を求めていた。つまり外交問題の緊張緩和それ自体は賞賛すべきだが、大きなリスクがあることを理解すべきだと。プーチン大統領は昨年9月末の国連総会で1945年のヤルタ協定を賛美した。ヤルタ体制を復活すれば、クリミアの併合とウクライナ東部への侵略を認めることになる。国際的な制裁を緩和すれば、米露関係は一時的には改善するだろうけど、それは同時に米国など西側の長期的利益を損ない、世界の安全と安定を損なうというのが同紙の主張である。トランプ氏は大統領中に対露制裁の撤回を匂わせていた。就任後それを現実化すれば、ヨーロッパと日本との関係にも影響する。これはあくまで仮定の話なのだが、もし米露同盟ができれば、北方領土返還交渉がデッドロックに乗り上げ、苛立ちを隠せない安倍首相、仲間に入れて欲しいと懇願するだろう。ところでアメリカ連邦捜査局(FBI)が今月16日、大統領選でトランプ氏勝利を有利にするためにロシアがサイバー攻撃を仕掛けたと結論づけた。オバマ大統領は同日の会見で「ロシアがサイバー攻撃を実行したと確信を持って言える」と、プーチン大統領が関与していたと断定した。たいへん気になる情報である。といったこともあるしトランプ氏の思惑通りに事が進むとは思えない。選挙中の暴言をかなり修正しているし、あっさり対ロシア政策の持論を変更するかもしれない。就任後の言動を見守りたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿