2014年3月1日

世界写真の日を8月19日にしようというプロジェクト

ニエプス「ル・グラの窓からの眺め」1827年(1826年という説もある)

「島津斉彬」(1857年)
日本の「写真の日」は日本写真協会が1951年に制定したもので、6月1日になっている。天保12年(1841年)6月1日に上野俊之丞が薩摩藩主島津斉彬を撮影したという口伝によるものだ。しかしこれは間違いで斉彬の肖像写真は市来四郎などの薩摩藩の若い研究者たちが、安政4年(1857)に撮影したものだった。にもかかわらず修正されないままこの日が現在でも「写真の日」となっている。ところで2009年にオーストラリアの写真家コルスク・アラ氏が、8月19日を「世界写真の日」にしようというプロジェクトを立ち上げた。ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール(1787-1851)が開発したダゲレオタイプが、フランス学士院で発表公開された1839年8月19日に由来するものである。とはいえ、この日が写真術発明の日ではないのである。カメラオブスクラの映像を長く定着させることにはじめて成功したのは1824年のことといわれている。フランスの彫版師ジョセフ・ニセフォール・ニエプス(1765-1833)のヘリオグラフィー(「太陽で描く」という意味)で、現存する世界最古の写真は彼が1825年に撮影した「馬引く男」である。

ダゲールのダゲレオタイプ(1837年)
一方、イギリスの科学者ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット(1800-1877)がカロタイプを1835年8月に発明していたが、製法を秘密にしていたために写真術開発の名誉をダゲールに取られる形となったのである。ダゲレオタイプは左右逆の1枚のポジ画像しか得られないという欠点があった。カロタイプはネガを作ることから実用性に優れており、現在のネガ・ポジ法の始まりとなった。というわけで写真術の発明に関しては様々な歴史的エピソードがある。8月19日を「世界写真の日」にしようというアイデアは、ヘリオグラフィやカロタイプ誕生の月日を特定できないのからだと私は単純に推測している。世界初の写真は明らかにニエプスのそれであり、制定に抵抗を感ずる人も多いだろう。いずれにしても、今年も8月19日にプロジェクトによるオンラインギャラリーが開催される。

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