2026年5月14日

宗教考現学(1)世界最大のイスラム教徒人口を抱えるインドネシア

インドネシアは公式にはイスラム国家ではないものの、世界最大のイスラム教徒人口を抱えている。インドネシアでは人口の87.54%、2億500万人がイスラム教徒である。これは世界のイスラム教徒16億2,000万人の12.7%に相当する。インドネシアの非イスラム教徒の宗教信者は、プロテスタント(6.96%)カトリック(2.91%)ヒンドゥー教(1.69%)仏教(0.71%)、儒教(0.05%)その他(0.13%)である。インドネシアの多様な宗教コミュニティの大部分は、政府による制限がほとんどなく公然と活動しているが、公式に認められている宗教グループはイスラム教、プロテスタント、カトリック、ヒンドゥー教、仏教、儒教の6つだけである。インドネシアはイスラム協力機構(OIC)の加盟国である。インドネシアのイスラム教徒の大多数はスンニ派である。スンニ派最大のイスラム社会組織であるムハマディヤは、合わせて約7,000万人の信者を擁している。ムハマディヤは4,000万人、ナフダトゥル・ウラマは3,000万人の信者を擁しています。インドネシアには推定100万人から300万人のシーア派イスラム教徒が暮らしている。

Eid al-Adha
ジャカルタの道路でイード・アル・アドハーの祈りを捧げる信徒たち

さらに、インドネシアには多くの小規模なイスラム組織があり、その中にはイスラム教の異端的な解釈であるアフマディーヤ・カディヤニ派を信奉する約20万人から40万人の人々が含まれている。インドネシア宗教省は、その他の宗教人口の内訳を、プロテスタント約1,600万人、カトリック約600万人、ヒンドゥー教徒約400万人、仏教徒約100万人、儒教徒約11万5,000人、その他約29万6千人と推定している。先住民族の宗教、伝統的な宗教、または公式に認められた6つの宗教のいずれにも該当しない宗教団体は、州または地域レベルの教育文化省に報告する必要がある。インドネシアでは、概してほとんどの地域で人権が尊重されている。表現の自由、信仰の自由、集会の自由は概ね保障されている。これらの自由の侵害は記録され、公表され、人権機関に報告される。市民は重大な人権侵害について政府に請願することもできる。インドネシア憲法(Undang – Undang Dasar Republik Indonesia 1945)は信教の自由を規定しており、法令その他の規則の指針となる法源である。インドネシア憲法の指針となる基準は、パンチャシラ、すなわち「五つの原則」である。

school
イスラム教育を受けるインドネシアの子どもたち

これには、唯一神への信仰、公正で文明的な人間性、インドネシアの統一、代表者間の審議から生じる全会一致の内なる知恵に導かれた民主主義、そしてインドネシア国民全体のための社会正義が含まれる。 インドネシア憲法は「唯一神への信仰」に基づき、「国家は唯一神への信仰に基づいている」が、インドネシア憲法は信教の自由を明示的に規定し「すべての人に、自らの宗教または信仰に従って礼拝する権利を保障する」と明記されているのである。インドネシア憲法におけるこれらの記述は、宗教を他のいくつかの理想とともに、インドネシアの国家イデオロギーの最前線に位置づけているのである。ところでクルアーンはアラビア語で記述されているが、インドネシアのイスラム教徒は読めるだろうか。インドネシアのイスラム教徒におけるアラビア語の読解能力については「文字として読める(音読できる)」レベルか「意味を理解できる」レベルかによって状況が大きく異なる。結論は多くの人がアラビア文字を「読む(唱える)」ことはできるがが、言語として「理解している」人は一部に限られる。インドネシアの子供たちは幼少期から「タマ」と呼ばれる放課後の宗教学校や近所のモスクで、クルアーンの読み方を習うのが一般的である。

2026年のイード・アル=アドハーはイスラム暦に従って5月26日に始まり5月27日に終る

そして多くの教徒は、アラビア文字の綴りと発音のルール(タジュウィード)を習得しており、クルアーンを声に出して読むことができるようだ。しかしアラビア語を日常会話や学術的な言語として理解できる人は、全体から見れば少数派である。ほとんどのインドネシア人は、アラビア語の原文の横にインドネシア語訳が併記されたクルアーンを使用する。内容を理解する際は、この翻訳に頼るのが一般的である。インドネシアに限らずそもそもクルアーンを他言語に訳するのはご法度と考えている人が多い。イスラームの教義において、クルアーンの翻訳については「宗教的な位置づけ」と「実用的な位置づけ」の2つの側面から考えられる。つまり「内容を理解するための翻訳は認められているが、翻訳されたものは「クルアーンそのもの』とはみなされない」というのが一般的な解釈である。下記リンク先はインドネシア・イスラム国際大学の「インドネシアにおけるイスラム教:平和と学びのモデル」です。

university  Islam in Indonesia: A Model of Peace and Learning | Univ. Islam International Indonesia

0 件のコメント: