2025年11月20日

ワイオミング州ジャクソンホールにおける人間とクマの衝突の軽減方法を学ぶ

ワイオミング州魚類野生生物局の大型肉食動物生物学者マイク・ボイスと野生生物技術者ブリアナ・エイゲンブロードがウェストジャクソンのクラスターズ住宅団地で捕獲したクマを鎮静剤で眠らせて収容用ケージへ運ぶ

人間活動による環境負荷を軽減し、永続的な土地倫理を推進することで、野生生物に優しいコミュニティの育成に寄与するため、1993年に設立されたワイオミング州のジャクソンホール野生生物財団によると、ハイイログマの個体数が増加しているという。ジャクソンの居住地域での存在が増加するにつれて、クマの管理の状況は変化している。かつては主にアメリカクロクマが懸念されていたが、現在ではハイイログマとの遭遇もより頻繁になっているそうである。こうした変化に伴い、衝突を未然に防ぐことがますます重要になっている。人間の手の届かないところに食料源を置き、クマ関連の事件があればすぐに報告してくださいと呼びかけている。そうすれば、野生生物管理者は早期に対応し、クマの行動をより安全な方向に導くことができる。

  • ゴミ容器は回収日の朝まで安全な建物内に保管してください。
  • 缶飲料などのリサイクル容器は屋内に保管してください。
  • 肉や魚の残骸など臭いの強いゴミは廃棄場へ持っていくまで冷凍庫に保管してください。
  • バーベキューやピクニックの食べ残しを屋外に放置しないでください。
  • 夜通し食物を放置するのは厳禁です。クーラーボックスはクマ対策にはなりません。
  • ハチドリの餌台はハチドリも好む吊り下げ式の花かごに置き換えてください。
  • 木の実が熟したらすぐに収穫し落ちた果実は直ちに回収してください。
  • 野生動物用の餌を置かないでください。野生動物に有害です・
  • キャンプ時は清潔に保ち、クマ誘引物は窓を閉めた頑丈な車両内に保管してください。
  • バックカントリーでは4人以上のグループで行動しクマ用スプレーを携帯してください。
ワイオミング州ジャクソンホールはクマの生息地

猟銃による駆除は最終手段であって、このような方法でクマとの衝突を軽減することが求められる。これは人間と野生動物の共存という理想に近づく第一歩だろう。米国では日本のように民間のハンターが駆除に駆り出されることはない。人間に危害を加えるような個体の捕獲は行政の役割だからである。フロリダ州などの禁止されている一部地域を除き、米国ではクマ猟が盛んで、年間約5万頭のクロクマが捕獲されている。広範囲で狩猟圧をかけている地域では市街地へのクマの出没や人身事故件数が少ない傾向にあるが、そうではない地域ではクマと人とのいたちごっこが続いているようだ。ただ、捕獲を進めるにしても、科学的な調査に基づいた個体数の推定が不可欠である。結局のところ、クマの管理は「人間の管理」でもある。クマの生態についての正しい知識の普及や人家にある誘引物を除去するといった啓発教育も重要である。米国の多くの地域では「どれくらいの頭数なら許容できるか」という社会の許容度も調べている。 日本ではまず人身被害を減らす対策を重点的に進めつつ、科学的根拠に基づいた管理計画の作成や社会的許容度の調査、住民への啓発や教育を連携させていく必要があるだろう。下記の PDF ファイルはワイオミング州魚類野生生物局で構成される、省庁間グループであるベア・ワイズ・ジャクソンホールによる「ジャクソンホールはクマの生息地です。クマを野生に保ち、人々の安全を守るためにご協力ください」です。

/bear Jackson Hole is Bear Country | Help us keep Bears wild and People safe (PDF file 14.7MB)

2025年11月18日

エプスタインファイル開示要求に焦るトランプ大統領の風刺漫画五選

Ramses
A stable genius and the Epstein… thing ©2025 Ramses
Daniel Medina
Worms for His People ©2025 Daniel Medina
Checking Epstein files ©2025 Paresh Nath
Bart van Leeuwen
Trump on Epstein files ©2025 Bart van Leeuwen

米下院は今週、エプスタインのファイルの完全公開を強制する法案に投票する準備が整っているようだ。新たに公開された文書によりトランプ大統領と有罪判決を受けた性犯罪者ジェフリー・エプスタインとの関係についての詳細が明らかになり、捜査は最近、政治的議論の中心となっている。トランプ大統領支持層である MAGA も亀裂が生じ、この件では批判的で、支持率も下がっている。マイク・ジョンソン下院議長 (ルイジアナ州共和党) は先週、下院が今週、ファイルの公開について採決を行う予定であると述べた。

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写真術における偉大なる達人たち

Parade of Zapatistas
Manuel Ramos (1874-1945) Parade of Zapatistas, National Palace, Mexico City, 1914

2021年の秋以来、思いつくまま世界の写真界20~21世紀の達人たちの紹介記事を拙ブログに綴ってきましたが、2025年11月18日現在のリストです。右端の()内はそれぞれ写真家の生年・没年です。左端の年月日をクリックするとそれぞれの掲載ページが開きます。

21/10/06多くの人々に感動を与えたアフリカ系アメリカ人写真家ゴードン・パークスの足跡(1912–2006)
21/10/08グループ f/64 のメンバーだった写真家イモージン・カニンガムは化学を専攻した(1883–1976)
21/10/10圧倒的な才能を持ち現代アメリカの芸術写真を牽引したポール・ストランド(1890–1976)
21/10/11何気ない虚ろなアメリカを旅したスイス生まれの写真家ロバート・フランク(1924–2019)
21/10/13作為を排した新客観主義に触発されたストリート写真の達人ロベール・ドアノー(1912–1994)
21/10/16大恐慌時に農村や小さな町の生活窮状をドキュメントした写真家ラッセル・リー(1903–1986)
21/10/17日記に最後の晩餐という言葉を残して自死した写真家ダイアン・アーバスの黙示録(1923–1971)
21/10/19フォトジャーナリズムの手法を芸術の域に高めた写真家ユージン・スミスの視線(1918–1978)
21/10/24時代の風潮に左右されず独自の芸術観を持ち続けたプラハの詩人ヨゼフ・スデック(1896-1976)
21/10/27西欧美術を米国に紹介した写真家アルフレッド・スティーグリッツの功績(1864–1946)
21/11/01美しいパリを撮影していたウジェーヌ・アジェを「発見」したベレニス・アボット(1898–1991)
21/11/08近代ストレート写真を先導した 20 世紀の写真界の巨匠エドワード・ウェストン(1886–1958)
21/11/10芸術を通じて社会や政治に影響を与えることを目指した写真家アンセル・アダムス(1902–1984)
21/11/13大恐慌を記録したウォーカー・エヴァンスの被写体はその土地固有の様式だった(1903–1975)
21/11/16写真少年ジャック=アンリ・ラルティーグは個展を開いた 69 歳まで無名だった(1894–1986)
21/11/20ハンガリー出身の世界で最も偉大な戦争写真家ロバート・キャパの短い人生(1913–1954)
21/11/25児童労働の惨状を訴えるため現実を正確に捉えた写真家ルイス・ハインの偉業(1874–1940)
21/12/01マグナム・フォトを設立した写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンの決定的瞬間(1908–2004)
21/12/06犬を人間のいくつかの性質を持っているとして愛撮したエリオット・アーウィット(1928-2023)
21/12/08リチャード・アヴェドンの洗練され権威ある感覚をもたらしたポートレート写真(1923–2004)
21/12/12デザインと産業の統合に集中したバウハウスの写真家ラースロー・モホリ=ナジ(1923–1928)
21/12/17ダダイズムとシュルレアリスムに跨る写真を制作したマン・レイは革新者だった(1890–1976)
21/12/29フォトジャーナリズムに傾倒したアラ・ギュレルの失われたイスタンブル写真素描(1928–2018)
22/01/10ペルーのスタジオをヒントに自然光に拘ったアーヴィング・ペンの鮮明な写真(1917-2009)
22/02/25非現実的なほど歪曲し抽象的な遠近感を生み出した写真家ビル・ブラントのカメラ(1904–1983)
22/03/09男性ヌードや花を白黒で撮影した異端の写真家ロバート・メイプルソープへの賛歌(1946–1989)
22/03/18ニューヨーク近代美術館で写真展「人間家族」を企画したエドワード・スタイケン(1879–1973)
22/03/24公民権運動の影響を記録したキュメンタリー写真家ブルース・デヴッドソンの慧眼(born 1933)
22/04/21社会的弱者に寄り添いエモーショナルに撮影した写真家メアリー・エレン・マーク(1940-2015)
22/05/20早逝した写真家リンダ・マッカートニーはザ・ビートルズのポールの伴侶だった(1941–1998)
22/06/01大都市に変貌する香港を活写して重要な作品群を作り上げたファン・ホーの視線(1931–2016)
22/06/12肖像写真で社会の断面を浮き彫りにしたドキュメント写真家アウグスト・ザンダー(1876–1964)
22/08/01スペイン内戦取材で26歳という若さに散った女性戦争写真家ゲルダ・タローの生涯 (1910–1937)
22/09/16カラー写真を芸術として追及したジョエル・マイヤーウィッツの手腕(born 1938)
22/09/25死と衰退を意味する作品を手がけた女性写真家サリー・マンの感性(born 1951)
22/10/17北海道の風景に恋したイギリス人写真家マイケル・ケンナのモノクロ写真(born 1951)
22/11/06アメリカ先住民を「失われる前に」記録したエドワード・カーティス(1868–1952)
22/11/16大恐慌の写真 9,000 点以上を制作したマリオン・ポスト・ウォルコット(1910–1990)
22/11/18人間の精神の深さを写真に写しとったアルゼンチン出身のペドロ・ルイス・ラオタ (1934-1986)
22/12/10アメリカの生活と社会的問題を描写した写真家ゲイリー・ウィノグランド(1928–1984)
22/12/16没後に脚光を浴びたヴィヴィアン・マイヤーのストリート写真(1926–2009)
22/12/23写真家集団マグナムに参画した初めての女性報道写真家イヴ・アーノルド(1912-2012)
23/03/25写真家フランク・ラインハートのアメリカ先住民のドラマチックで美しい肖像写真(1861-1928)
23/04/13複雑なタブローを構築するシュールレアリスム写真家サンディ・スコグランド(born 1946)
23/04/21キャラクターから自らを切り離したシンディー・シャーマンの自画像(born 1954)
23/05/01震災前のサンフランシスコを記録した写真家アーノルド・ジェンス(1869–1942)
23/05/03メキシコにおけるフォトジャーナリズムの先駆者マヌエル・ラモス(1874-1945)
23/05/05文学と芸術に没頭し超現実主義絵画に着想を得た台湾を代表する写真家張照堂(1943-2024)
23/05/07家族の緊密なポートレイトで注目を集めた写真家エメット・ゴウィン(born 1941)
23/05/22欲望やジェンダーの境界を無視したクロード・カアンのセルフポートレイト(1894–1954)
23/05/2520世紀初頭のアメリカの都市改革に大きく貢献したジェイコブ・リース(1849-1914)
23/06/05都市の社会風景という視覚的言語を発展させた写真家リー・フリードランダー(born 1934)
23/06/13写真芸術の境界を広げた暗室の錬金術師ジェリー・ユルズマンの神技(1934–2022)
23/06/15強制的に収容所に入れられた日系アメリカ人を撮影したドロシア・ラング(1895–1965)
23/06/20劇的な国際的シンボルとなった「プラハの春」を撮影したヨゼフ・コウデルカ(born 1958)
23/06/24警察無線を傍受できる唯一のニューヨークの写真家だったウィージー(1899–1968)
23/07/03フォトジャーナリズムの父アルフレッド・アイゼンシュタットの視線(1898–1995)
23/07/06ハンガリーの芸術家たちとの交流が反映されたアンドレ・ケルテスの作品(1894-1985)
23/07/08家族が所有する島で野鳥の写真を撮り始めたエリオット・ポーター(1901–1990)
23/07/08戦争と苦しみを衝撃的な力でとらえた報道写真家ドン・マッカラン(born 1935)
23/07/17夜のパリに漂うムードに魅了されていたハンガリー出身の写真家ブラッサイ(1899–1984)
23/07/2020世紀の著名人を撮影した肖像写真家の巨星ユーサフ・カーシュ(1908–2002)
23/07/22メキシコの革命運動に身を捧げた写真家ティナ・モドッティのマルチな才能(1896–1942)
23/07/24ロングアイランド出身のマルクス主義者を自称する写真家ラリー・フィンク(born 1941)
23/08/01アフリカ系アメリカ人の芸術的な肖像写真を制作したコンスエロ・カナガ(1894–1978)
23/08/04ヒトラーの地下壕の写真を世界に初めて公開したウィリアム・ヴァンディバート(1912-1990)
23/08/06タイプライターとカメラを同じように扱った写真家カール・マイダンス(1907–2004)
23/08/08ファッションモデルから戦場フォトャーナリストに転じたリー・ミラーの生涯(1907-1977)
23/08/14ニコンのレンズを世界に知らしめたデイヴィッド・ダグラス・ダンカンの功績(1907-2007)
23/08/18超現実的なインスタレーションアートを創り上げたサンディ・スコグランド(born 1946)
23/08/20シカゴの街角やアメリカ史における重要な瞬間を再現した写真家アート・シェイ(1922–2018)
23/08/22大恐慌時代の FSA プロジェクト 最初の写真家アーサー・ロススタイン(1915-1986)
23/08/25カメラの焦点を自分たちの生活に向けるべきと主張したハリー・キャラハン(1912-1999)
23/09/08イギリスにおけるフォトジャーナリズムの先駆者クルト・ハットン(1893–1960)
23/10/06ロシアにおけるデザインと構成主義創設者だったアレクサンドル・ロトチェンコ(1891–1956)
23/10/18物事の本質に近づくための絶え間ない努力を続けた写真家ウィン・バロック(1902–1975)
23/10/27先見かつ斬新な作品により写真史に大きな影響を与えたウィリアム・クライン(1926–2022)
23/11/09アパートの窓から四季の移り変わりの美しさなどを撮影したルース・オーキン(1921-1985)
23/11/15死や死体の陰翳が纏わりついた写真家ジョエル=ピーター・ウィトキンの作品(born 1939)
23/12/01近代化により消滅する前のパリの建築物や街並みを記録したウジェーヌ・アジェ(1857-1927)
23/12/15同時代で最も有名で最も知られていないストリート写真家のヘレン・レヴィット(1913–2009)
23/12/20哲学者であることも写真家であることも認めなかったジャン・ボードリヤール(1929-2007)
24/01/08音楽や映画など多岐にわたる分野で能力を発揮した写真家ジャック・デラーノ(1914–1997)
24/02/25シチリア出身のイタリア人マグナム写真家フェルディナンド・スキアンナの視座(born 1943)
24/03/21パリで花開いたロシア人ファッション写真家ジョージ・ホイニンゲン=ヒューン(1900–1968)
24/04/04報道写真家として自活することに成功した最初の女性の一人エスター・バブリー(1921-1998)
24/04/20長時間露光により時間の多層性を浮かび上がらせたアレクセイ・ティタレンコ(born 1962)
24/04/2820世紀後半のイタリアで最も重要な写真家ジャンニ・ベレンゴ・ガルディン(born 1930)
24/04/30トルコの古い伝統の記憶を守り続ける女性写真家 F・ディレク・ウヤル(born 1976)
24/05/01ファッション写真に大きな影響を与えたデヴィッド・ザイドナーの短い生涯(1957-1999)
24/05/08社会の鼓動を捉えたいという思いで写真家になったリチャード・サンドラー(born 1946)
24/05/10直接的で妥協がないストリート写真の巨匠レオン・レヴィンシュタイン(1910–1988)
24/05/12自らの作品を視覚的な物語と定義している写真家スティーヴ・マッカリー(born 1950)
24/05/14多様な芸術の影響を受け写真家の視点を形作ったアンドレアス・ファイニンガー(1906-1999)
24/05/16芸術的表現により繊細な目を持つ女性写真家となったマルティーヌ・フランク(1938-2012)
24/05/18ドキュメンタリー写真をモノクロからカラーに舵を切ったマーティン・パー(born 1952)
24/05/21先駆的なグラフ誌『ピクチャー・ポスト』を主導した写真家バート・ハーディ(1913-1995)
24/05/24グラフ誌『ライフ』に30年間投稿し続けたロシア生まれの写真家リナ・リーン(1914-1995)
24/05/27旅する写真家として20世紀後半の歴史に残る象徴的な作品を制作したルネ・ブリ(1933-2014)
24/05/29高速ストロボスコープ写真を開発したハロルド・ユージン・エジャートン(1903-1990)
24/06/03一般市民とそのささやかな瞬間を撮影したオランダの写真家ヘンク・ヨンケル(1912-2002)
24/06/10ラージフォーマット写真のデジタル処理で成功したアンドレアス・グルスキー(born 1955)
24/06/26レンズを通して親密な講釈と被写体の声を伝えてきた韓国出身のユンギ・キム(born 1962)
24/07/05演出されたものではなく現実的なファッション写真を開発したトニ・フリッセル(1907-1988)
24/07/07スウィンギング60年代のイメージ形成に貢献した写真家デイヴィッド・ベイリー(born 1938)
24/07/13著名人からから小さな町の人々まで撮影してきた写真家マイケル・オブライエン(born 1950)
24/07/14人々のドラマが宿る都市のカラー写真を制作したコンスタンティン・マノス(born 1934)
24/08/04写真家集団「マグナム・フォト」所属するただ一人の日本人メンバー久保田博二(born 1939)
24/08/08ロバート・F・ケネディの死を悼む人々を葬儀列車から捉えたポール・フスコ(1930–2020)
24/08/13クリスティーナ・ガルシア・ロデロが話したいのは時間も終わりもない出来事だ(born 1949)
24/08/30ドキュメンタリーと芸術の境界を歩んだカラー写真の先駆者エルンスト・ハース(1921–1986)
24/09/01国際的写真家集団マグナム・フォトの女性写真家スーザン・メイゼラスの視線(born 1948)
24/09/09アパルトヘイトの悪と日常的な社会への影響を記録したアーネスト・コール(1940–1990)
24/09/14宗教的または民俗的な儀式に写真撮影の情熱を注ぎ込んだラモン・マサッツ(1931-2024)
24/09/23アメリカで最も有名な無名の写真家と呼ばれたエヴリン・ホーファー(1922–2009)
24/09/25自身を「大義を求める反逆者」と表現した写真家マージョリー・コリンズ(1912-1985)
24/09/27北海道の小さな町にあった営業写真館を継がず写真芸術の道を歩んだ深瀬昌久(1934-2012)
24/10/01現代アメリカの風変わりで平凡なイメージに焦点を当てた写真家アレック・ソス(born 1969)
24/10/04微妙なテクスチャーの言語を備えた異次元の写真を追及したアーサー・トレス(born 1940)
24/10/06オーストリア系イギリス人のエディス・チューダー=ハートはソ連のスパイだった(1908-1973)
24/10/08映画の撮影監督でもあったドキュメンタリー写真家ヴォルフガング・スシツキー(1912–2016)
24/10/15芸術のレズビアン・サブカルチャーに深く関わった写真家ルース・ベルンハルト(1905–2006)
24/10/19ランド・アートを通じて作品を地球と共同制作するアンディ・ゴールドワージー (born 1956)
24/10/29公民権運動の活動に感銘し刑務所制度の悲惨を描写した写真家ダニー・ライアン (born 1942)
24/11/01人間の状態と現在の出来事を記録するストリート写真家ピータ―・ターンリー (born 1955)
24/11/04写真を通じて現代の社会的状況を改善することに専念したアーロン・シスキンド(1903-1991)
24/11/07自然と植物の成長にインスピレーションを受けた写真家カール・ブロスフェルト(1865-1932)
24/11/09ストリート写真で知られているリゼット・モデルは教える才能を持っていた(1901-1983)
24/11/11カラー写真が芸術として認知されるようになった功労者ウィリアム・エグルストン(born 1939)
24/11/13革命後のメキシコ復興の重要人物だった写真家ローラ・アルバレス・ブラボー(1903-1993)
24/11/15チリの歴史上最も重要な写真家であると考えられているセルヒオ・ララインの視座(1931-2012)
24/11/19イギリスのアンリ・カルティエ=ブレッソンと評されたジェーン・ボウン(1925-2014)
24/11/25カラー写真の先駆者ソール・ライターは戦後写真界の傑出した人物のひとりだった(1923–2013)
24/11/25サム・フォークがニューヨーク・タイムズに寄せた写真は鮮烈な感覚をもたらした(1901-1991)
24/11/29ゲイ解放運動の活動家だったトランスジェンダーの写真家ピーター・ヒュージャー(1934–1987)
24/12/01複数の芸術的才能に恵まれていた華麗なるファッション写真家セシル・ビートン(1904–1980)
24/12/05ライフ誌と空軍で活躍した女性初の戦場写真家マーガレット・バーク=ホワイト(1904–1971)
24/12/07愛と美を鮮明に捉えたロマン派写真家エドゥアール・ブーバの平和への眼差し(1923–1999)
24/12/10保守的な政治体制と対立しながら自由のために写真を手段にしたエヴァ・ペスニョ(1910–2003)
24/12/15自然環境における人間の姿を研究することに関心を寄せた写真家マイケル・ぺト(1908-1970)
24/12/20ベトナム戦争中にナパーム弾攻撃から逃げる子供たちを撮影したニック・ウット(born 1951)
25/01/06記録映画の先駆者であり前衛映画製作者でもあった写真家ラルフ・スタイナー(1899–1986)
25/01/10アメリカ西部を占める文化の多様性を反映した写真家ローラ・ウィルソンの足跡(born 1939)
25/01/15フランスの人文主義写真運動で活躍したスイス系フランス人ザビーネ・ヴァイス(1924–2021)
25/02/03サルバドール・ダリとの共作でシュールな写真を創出したフィリップ・ハルスマン(1906–1979)
25/02/06ベトナム戦争に対する懸念を形にした写真家フィリップ・ジョーンズ・グリフィス(1936-2008)
25/02/18芸術に複数の糸を持っていたシュルレアリスムの写真家エミール・サヴィトリー(1903-1967)
25/03/19シュルレアリスムの先駆的な写真家でピカソのモデルで恋人だったドラ・マール(1907-1997)
25/03/25ホロコースト前の東欧のユダヤ人社会を記録した写真家ローマン・ヴィスニアック(1897-1990)
25/04/01ソーシャルワーカーからライフ誌の専属写真家に転じたウォレス・カークランド(1891–1979)
25/04/04写真家ビル・エプリッジは20世紀で最も優れたフォトジャーナリストの一人だった(1938-2013)
25/04/25ロバート・キャパの弟で総合施設国際写真センターを設立したコーネル・キャパ(1918-2008)
25/05/01激動1960年代の音楽家たちをキャプチャーした写真家エリオット・ランディの慧眼(born 1942)
25/05/23生まれ故郷ブラジルの熱帯雨林アマゾン川流域へのセバスチャン・サルガドの視座(1944-2025)
25/06/22風景への畏敬の念と激動の気象現象への驚異が伝わるミッチ・ドブラウナーの写真(born 1956)
25/07/26ティンタイプ写真でアパラチアの伝承音楽家に焦点を当てたリサ・エルマーレ(born 1984)
25/08/03色彩の卓越した表現を通して写真というジャンルを超越したデビッド・ラシャペル(born 1963)
25/08/20ヨーロッパ解放やコンゴ紛争などでの勇敢な取材で知られるドミトリ・ケッセル(1902–1995)
25/08/25長大吊り橋を撮影したピーター・スタックポールはライフ誌創刊の写真家になった(1913-1997)
25/09/08アパラチアや南東部の農村地帯の人々の肖像写真で知られているドリス・ウルマン(1882-1934)
25/08/25長大吊り橋を撮影したピーター・スタックポールはライフ誌創刊の写真家になった(1913-1997)
25/09/15指導者であり預言者であり歴史家であり学者だった写真家ジョン・ローエンガード(1934-2020)
25/09/17女性を客体ではなく主体として描写した写真家エレン・フォン・アンワースの視線(born 1954)
25/09/22精巧に演出された赤ちゃんたちの愛らしい写真で世界的に評価されるアン・ゲデス(born 1956)
25/09/26エロティックで都会的なスタイルの頂点を極めた写真家ヘルムート・ニュートン(1920-2004)
25/10/06モデルからファッション写真家に転じたスリランカ系英国人ナイジェル・バーカー(born 1972)
25/10/15ヴィクトリア朝イギリスで最も有名な写真家ジュリア・マーガレット・キャメロン(1815-1879)
25/10/17革新的手法を用いたドイツ系ユダヤ人写真家エーリッヒ・ザロモンの悲劇的な運命(1886-1944)
25/10/20地球の環境破壊と気候変動の壊滅的な影響を明瞭に伝える写真家ニック・ブラント(born 1964)
25/10/23政治家や作家など世界の重要人物の精緻な肖像写真を撮影したユーサフ・カーシュ(1908-2002)
25/10/26直面する不正義と対峙するパレスチナ系オランダ人写真家サキル・カデルの眼差し(born 1990)
25/11/12目に見えない鳥の飛行経路を可視化した作品で知られる写真家シャビ・ボウの秘技(born 1979)
25/11/18自身の文化的環境を探求したメキシコを代表する写真家グラシエラ・イトゥルビデ(born 1942)

子供の頃「明治は遠くなりにけり」という言葉を耳にした記憶がありますが、今まさに「20世紀は遠くなりにけり」の感があります。掲載した作品の大半がモノクロ写真で、カラー写真がわずかのなのは偶然ではないような気がします。20世紀のアートの世界ではモノクロ写真が主流だったからです。しかしデジタルカメラが主流になった21世紀、カラー写真の台頭に目覚ましいものがあります。ジョエル・マイヤーウィッツとサンディ・スコグランド、ジャン・ボードリヤール、 F・ディレク・ウヤル、マーティン・パー、コンスタンティン・マノス、久保田博二、ポール・フスコ、エルンスト・ハース、エヴリン・ホーファー、アレック・ソス、アンディ・ゴールドワージー、ウィリアム・エグルストン、ソール・ライタ、などのカラー作品を取り上げました。

photographer  Famous Photographers: Great photographs can elicit thoughts, feelings, and emotions.

自身の文化的環境を探求したメキシコを代表する写真家グラシエラ・イトゥルビデ

Birds on the Post
Birds on the Post, Highway, Guanajuato, Mexico, 1990
Graciela Iturbide,

グラシエラ・イトゥルビデは1942年月16日、メキシコシティで伝統的なカトリック教徒の両親のもとに生まれた。13人兄弟の長女として、カトリック系の学校に通い、幼い頃から写真に触れていた。父親は彼女や兄弟の写真を撮り、彼女は11歳の時に初めてカメラを手に入れた。子供の頃、父親はすべての写真を集めて箱に入れていた。イトゥルビデは「箱を開けて、これらの写真、これらの思い出を見るのは、私にとって大きな喜びでした」と後に語っている。彼女は1962年に建築家のマヌエル・ロチャ・ディアスと結婚し、その後8年間で3人の子供をもうけた。息子のマヌエルとマウリシオ、そして1970年に6歳で亡くなった娘のクラウディアである。マヌエルは現在、作曲家およびサウンドアーティストであり、カリフォルニア芸術大学で講義をしている。マウリシオは父親に似て建築家になった。1970年、6歳の娘クラウディアを亡くしたイトゥルビデは、写真の道へ進んだ。映画監督を目指し、メキシコ自治大学の映画製作センターで学ぶ。彼女は、マヌエル・アルバレス・ブラボーの専門分野である写真に、どれほど惹かれているかに気づいた。彼は大学の教師であり、撮影監督、写真家でもあり、後に彼女の師となる。

Mexico City, 1969
A Woman, Mexico City, 1969

1970年から1971年にかけてマヌエル・アルバレス・ブラボーと共に旅をし「撮りたい写真を撮る時間は必ずある」ということを知った。1971年、彼女はW・ユージン・スミス助成金とグッゲンハイム財団の奨学金を獲得した。自身の好奇心に従い、気に入ったものを見るとすぐに写真を撮り、日常生活をほぼ白黒で撮影している。彼女はヨゼフ・クーデルカ、アンリ・カルティエ=ブレッソン、セバスチャン・サルガド、ブラボーの写真にインスピレーションを受けた。特に彼女のセルフポートレートはブラボーの影響を反映し、革新性と細部へのこだわりを表現している。イトゥルビデはレッテルを貼ることを避け、自身を被写体の共犯者と称している。

Iguanas
Our Lady of the Iguanas, 1979

彼女は、被写体と関わる方法で、詩的な肖像画を生み出し、被写体に命を吹き込むと言われている。 彼女はメキシコの先住民文化と人々(サポテク族、ミシュテク族、セリ族)の日常生活に興味を持ち、メキシコシティ、フチタン、オアハカ、そしてメキシコとアメリカの国境(ラ・フロンテーラ)の生活を撮影してきた。アイデンティティ、セクシュアリティ、祭り、儀式、日常生活、死、そして女性の役割に焦点を当てたイトゥルビデの写真は、常に変化する文化の視覚的な物語を共有している。また、彼女の写真の中には、都市生活と田舎の生活、先住民の生活と現代の生活が並置されている。

Angel Woman
Angel Woman, Sonoran Desert, Mexico, 1979

イトゥルビデの主な関心は、自身の文化的環境の探求と調査でした。彼女は写真をメキシコを理解するための手段として用い、先住民の慣習、同化されたカトリックの慣習、そして外国との経済貿易を一つの視野の中に統合した。美術評論家のオスカー・C・ネイツは、イトゥルビデの作品を「人文学的」と評している。グラシエラ・イトゥルビデにとって、優れた写真家であることは、時にイメージを犠牲にし、その瞬間を逃すことを意味する。イトゥルビデはこの逆説的な教訓を、1970年代にメキシコの先住民の間で暮らしていた時に学んだ。

Cholos
Cholos, White Fence Gang, Los Angeles, 1986

彼女は「多くの場所で、興味深い撮影チャンスに気づきながらも、女性たちと話していたためにそれを活かせなかったのです。それは、その瞬間に何が最も重要だったかによるのです。良い写真が何枚かは逃したかもしれませんが、そこにいたセニョーラと一緒にいることはとても重要でした」と回想する。彼女の作品はパリのポンピドゥー・センター、ヒューストン美術館、アリゾナ州ツーソンのクリエイティブ写真センター、サンフランシスコ近代美術館、メキシコシティのメキシコ写真協会など、多くの主要な国際的コレクションに収蔵されている。

Museum of Modern Art  Graciela Iturbide (Mexican, born 1942) Biography | Art Works | Exhibitions | Publications

2025年11月16日

高市早苗首相の台湾有事「存立危機事態」発言の危険

高市早苗戯画
高市早苗コラージュ戯画 ©2025 京都フォト通信

台湾有事は日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得るとした高市早苗首相の国会答弁をめぐり、日中の対立の溝が深まっている。中国が日本への渡航自粛を求める注意喚起を出したことを受け、日本政府内では日中間の対立が長期化するとの見方も出ている。中国が台湾を攻撃した場合、日本は自衛隊で対応できると高市早苗が述べたからである。現在の緊張の原因は7日の日本の衆院予算委員会でのやりとりだ。立憲民主党の岡田克也が高市早苗に対し、台湾をめぐってどのような状況が、日本にとって「存立危機事態」にあたるのかと質問した。高市早苗は「戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだ」と答えた。「存立危機事態」とは2015年成立の安全保障関連法に出てくる法律用語で、同盟国に対する武力攻撃が日本の存立を脅かす事態を指す。そうした状況では脅威に対応するため、自衛隊が出動できるのである。この高市の発言に、中国政府は激しく反発。中国外務省は「まったくひどい」と評した。高市早苗は10日、発言の撤回を否定「政府の従来の見解に沿ったもの」と主張した。実に問題多き危うい発言である。

答弁する高市早苗首相
立憲民主党の岡田克也氏の質問に答弁する高市早苗首相(11月7日)©2025 朝日新聞

率直に言って高市早苗は政治家としての能力が極めて低いと思う。「初の女性総理が誕生したことの意義」云々とか言い出して高市早苗のバブル人気を煽る政治学者がいる。この政治学者は「女性総理誕生を喜べなどとは言っていない、女性総理が誕生した意義を認めるべきだと言っているだけだ」などと強弁しているが、もはや詭弁にもなっていない。「頑固」「人の意見を聞かない」――。周囲の高市評だ。党内や霞が関と交友を深めることには一線を引き、「独りで政策の勉強に打ち込む」(周辺)のも独自のスタイルと言える。高市早苗は総裁就任の翌日の10月5日から1か月以上、一度も外で会食をしていない。高市はそれを美学と感じている節もある。1997年に憧れていた英保守党のマーガレット・サッチャー元首相と面会した後、雑誌への寄稿で「親しい友を作ることなく権力の頂点に登りつめたと評されているが、会ってみて納得。私自身も」と綴っている。はフォークランド紛争で派兵したが、高市早苗も台湾有事の際には自衛隊を派遣して戦闘させるつもりなのだろうか。

law
法令:武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律

2025年11月15日

ジョン・F・ケネディの孫ジャック・シュロスバーグがニューヨーク州議会選挙出馬を表明

Jack Schlossberg
Jack Schlossberg speaks on the Democratic National Convention in Chicago, 2024.

ジョン・F・ケネディのカリスマ性と歯に衣着せぬ物言いで知られる孫、ジャック・シュロスバーグ(1993年生まれ)がニューヨーク州議会選挙への出馬を発表し MAGA の世界はパニックに陥っている。トランプ政権の保健福祉長官である、いとこのロバート・F・ケネディ・ジュニアに対する最も辛辣な批判者がついに参戦したのである。シュロスバーグは「アメリカ建国から250年、我が国は転換期を迎えている。あらゆるレベルで危機的状況にある。ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法案が後押しする生活費危機、勤労世帯が頼りにしている社会保障制度の歴史的な削減だ」とインスタグラムの動画で述べた。「医療、教育、保育、そして汚職危機」「大統領は今年10億ドル近く稼いだ。大統領執務室の中から勝者と敗者を選んでいる。これは資本主義ではなく縁故主義だ」と彼は述べた。「そして、危険な人物が三権すべてを掌握しているという憲法上の危機だ」「彼は市民の公民権を剥奪し、批判者を黙らせている。最悪なのは、こんな風になる必要はなく、常にそうだったわけでもないということだ」と彼は続けた。「私たちはもっと良い待遇を受けるに値し、もっと良い結果を出すことができます。そして、それは民主党が下院の支配権を取り戻すことから始まるのです」とシュロスバーグは述べた。「議会を支配すれば、私たちにできないことは何もありません」とシュロスバーグは述べた。「支配権がなければ、も務めることはできません。私の名前はジャック・シュロスバーグです。私は生まれ育ち、毎日バスで学区の端から端まで通っていた、故郷ニューヨーク第12選挙区の代表として下院に立候補します」「ここは地球上で最も素晴らしい都市の最高の場所です。最高の病院、最高の学校、レストラン、美術館があり、世界の金融とメディアの中心地でもあります」と彼は続けた。「この選挙区には、この選挙区の創造性、エネルギー、そして活力を活かしてそれをワシントンの政治力へと繋げることができる代表者が必要です」「私が立候補するのは、私たちが抱える問題に対する答えをすべて知っているからではありません。ニューヨーク第12選挙区の人々が持っているからです」と彼は言った。「皆さんの苦悩に耳を傾け、皆さんの物語を聞き、皆さんの声を大きくし、ワシントンへ行き、皆さんのために行動を起こしたいのです」とシュロスバーグは語った。

Donald Trump, Robert F. Kennedy Jr., and Jack Schlossberg

シュロスバーグは「故郷のために闘う闘技場以上に素晴らしい場所はありません」 「これから8ヶ月、この選挙戦を通して、できるだけ多くの皆さんとお会いしたいと思っています。街で見かけたら、ぜひ声をかけてください。もし私が皆さんの家のドアをノックしたら、ぜひ話し合いたいと思っています。政治は個人的なものであるべきだからです。近日中に続きをお伝えします。ニューヨーク12の選挙戦でお会いしましょう!」と述べた。シュロスバーグは既に、いとこのロバート・F・ケネディ・ジュニアの危険な反科学的な信念とファシスト的なトランプ政権への支持を容赦なく攻撃することで、世間の注目を集めている。「恥ずべき存在」「嫌な奴」と呼び上院での証言中に「生放送でひどく息が詰まった」と嘲笑した。「彼は保健福祉長官として生死に関わる決定を下す危険な人物だ」とシュロスバーグはインタビューで述べた。「私の言葉を鵜呑みにする必要はありません。今や、確かな実績があります。彼は省庁の職員の4分の1を削減しました。予防接種実施諮問委員会のワクチン専門家全員を解雇し、反ワクチン派に交代させました」と。シュロスバーグはイェール大学とハーバード大学ロースクールを卒業し、インスタグラムで72万8,000人、Xで約17万3,000人のフォロワーを抱えるなど、ソーシャルメディアで既に確固たる地位を築いている。32歳のシュロスバーグは、次世代の民主党指導者の代表と言えるだろう。教育、医療、そして教育への彼の大胆な取り組みは、将来の共和党指導者が重視する政策とは対照的です。若い保守派が恐ろしいナチス・スキャンダルに巻き込まれない週はほとんどないようだ。保守派にはニック・フエンテスのような憎悪の扇動者がいるが、シュロスバーグのような人物がいる。

NBC  Jack Schlossberg, a member of Kennedy political dynasty, is running for Congress | NBC

2025年11月14日

短縮カタカナ英語の厄介

日本語
日本語は母音が5個 子音は14個
英語
英語は母音が16個 子音は24個もある

大相撲の外国人力士の流暢な日本語に接すると、母国語が通じない環境が外国語取得にうってつけじゃないか思う。防衛大臣に就任した小泉進次郎も同様の発言をしていた。ただそれには留学などが必要で、一般には現実的な方法ではない。英会話習得を妨げている一因に、図のように日本語の母音が5個であるのに対し英語は16個もあることを挙げることができる。例えば日本語では1つの「ア」として認識されている音が、英語では4種類の「ア」として区別されている。またアメリカ人は "Radio" を「ラジオ」ではなく「レイディオ」と発音する。インターネットの音楽番組にアクセスして知ったのだが ".com" は「ドットコム」ではなく「ダーカム」と司会者が発音していた。イギリス英語(British English)とアメリカ英語(American English)は同じ英語だが、発音・綴り(スペル)・語彙(単語)・文法・発音のイントネーションなどに違いがあることも要注意である。カタカナ英語で話していると、このような誤解を生む単語が連続することになり、英語話者とのコミュニケーションに支障が生じる可能性がある。これらを解決するには、助言機能を備えた AI 英会話アプリケーションの導入の検討がベストかもしれない。カタカナ英語といえば日本語を学ぶ外国人が戸惑うのは、カタカナ表記の英語、とりわけその短縮カタカナが学習を妨げているという。

アコギアコースティックギターAcoustic guitar
アサインアサインメントAssignment
アナクロアナクロニズムAnachronism
アニメアニメーションAnimation
アパートアパートメントApartment
アプリアプリケーションApplication
アポアポイントメントAppointment
アマアマチュアAmateur
アンプアンプリファイアAmplifier
イラレイラストレーターIllustrator
インスタインスタグラムInstagram
インフラインフラストラクチャーInfrastructure
インフレインフレーションInflation
エアコンエアコンディショナーAir conditioner
エコエコロジーEcology
エンタメエンターテインメントEntertainment
オケオーケストラOrchestra
オペオペレーションOperation
カーナビカーナビゲーションCar Navigation
カスハラカスタマーハラスメント和製英語
カンパルカンパニアкампания(ロシア語)
クラウドクラウドコンピューティングCloud computing
クレカクレジットカードCredit card
ゲーセンゲームセンターArcade video game
コスパコストパフォーマンスCost performance
コスプレコスチュームプレイCostume play
コロナコロナウィルスCoronavirus (COVID-19)
コンサルコンサルタントConsultant
コンビニコンビニエンスストアConvenience store
コンプラコンプライアンスCompliance
コンポラコンテンポラリーContemporary
サブスクサブスクリプションSubscription
サプリサプリメントSupplement
シスコサンフランシスコSan Francisco
スーパースーパーマーケットSupermarket
スパコンスーパーコンピュータSupercomputer
スクショスクリーンショットScreenshot
ストストライキStrike
スタバスターバックスStarbucks
スマホスマートフォンSmartphone
スパコンスーパーコンピュータSupercomputer
セクハラセクシャルハラスメントSexual harassment
ゼネコンゼネラルコントラクターGeneral Contractor
ソフトソフトウェアSoftware
タブタブラチュアTablature
タワマンタワーマンション和製英語
テックテクノロジーTechnologyr
デフレデフレーションDeflation
デモデモンストレーションDemonstration
テレビテレビジョンTelevision (TV)
トイレトイレットToilet
ドラクエドラゴンクエストDragon Quest
トラッドトラディショナルTraditional
ナショジオナショナルジオグラフィックNational Geographic
ネオコンネオコンサバティズムNeoconservatism
ネガネガティブフィルムNegative film
ハードハードウェアHardware
バイトアルバイトArbeit(ドイツ語)
バスケバスケットボールBasketball
パソコンパーソナルコンピュータPersonal computer
パブコメパブリックコメントPublic consultation
パワハラパワーハラスメントPower harassment
ハンカチハンカチーフHandkerchief
ハンデハンデキャップHandicapping
バンマスバンドマスターBandmaster
ピケピケッティングPicketing
ビルビルディングBuilding
ファミコンファミリーコンピュータNintendo Family computer
フォトショフォトショップPhotoshop
ブラブラジャーBrassiere (Bra)
プラプラスチックPlastic
プリクラプリントクラブPhoto booth
プレゼンプレゼンテーションPresentation
プロプロフェッショナルProfessional
プロフプロフィールProfile
ペイハラペイシェントハラスメントPatient Harassment
ポケモンポケットモンスターPocket Monsters
ポジポジティブフィルムPositive film
ポラポラロイドPolaroid
ポルノポルノグラフィーPornography
マスコミマスコミュニケーションMass communication
マネロンマネーローンダリングMoney laundering
ラジコンラジオコントロールRadio control
ランクルランドクルーザーLand Cruiser
リオリオデジャネイロRio de Janeiro
リハリハーサルRehearsal
リハビリリハビリテーションRehabilitation
リモコンリモートコントロールRemote control
ルポルポルタージュReportage
レジレジスタRegister
レスレスポンスResponse
レズレズビアンLesbian
ロスロサンジェルスLos Angeles (LA)
ワイシャツホワイトシャツDress shirt
ワープロワードプロセッサWord processor

思いつくまま短縮カタカナ英語を拾ってみた。Smartphone を「スマホ」と呼ぶと知ったら英語圏の人々はどう思うか興味深い。英語ではブラジャーを Bra、テレビジョンと短縮するのが普通だか、いずれの国も短縮表記が好まれるようだ。もっとも Make America Great Again(アメリカ合衆国を再び偉大な国にする)を MAGA という風に頭文字を取って短縮するケースが多いようだ。蛇足ながら大型の共同住宅をマンション(mansion)と呼ぶが、邸宅を意味した用語を誤用した和製英語。コンドミニアム(condominium)とするのが一般的である。

language 外国人に通じないカタカナ英語 | 和製英語との違いや正しい英語を身につけるコツも | ビズメイツ

2025年11月13日

右翼的ポピュリスト高市早苗首相の暴走を懸念する

SanaeTakeichiByJoeBenke
Sanae Takeichi: Editorial Cartoon ©Joe Benke

立憲民主党の辻元清美参院議員が11月5日、BS-TBS「報道1930」に出演し、高市早苗首相の振る舞いについて真意を語った。先月28日、高市早苗首相はトランプ米大統領と米海軍横須賀基地を訪問した際、満面の笑みでサムアップポーズをしたり、ぴょんぴょん跳びはねながら右手を突き上げたりしたことが議論の的に。米国のヘリに乗り米軍基地の原子力空母の壇上で演説したのはマズかったのではという指摘だった。就任直後だったため米側の都合に従わざるを得なかったかもしれないが、相変わらず日本が米国の属国扱いを受けているという印象を残した。高市早苗首相は11月10日の衆院予算委員会で、台湾有事は日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になりうるとの考えを示した自身の国会答弁について「今後、特定のケースを想定したことをこの場で明言することは慎む」と語った。ただ自身の発言そのものは「政府の従来の見解に沿ったもの」として撤回しない意向を示した。確かに「存立危機事態」は集団的自衛権の行使を可能とするための新しい要件として、2014年7月の閣議決定を経て、2015年成立の安全保障関連法によって導入された概念である。一方、中国外務省の林剣副報道局長は同日の定例会見で「日本政府のこれまでの政治的な約束と著しく矛盾する」として「強烈な不満と断固とした反対」を表明し、日本側に「厳正な申し入れと強烈な抗議」を行ったことを明らかにした。首相は7日の同予算委員会で、台湾有事について「存立危機事態」にあたる具体例を問われ「戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだと私は考える」と述べ、台湾有事が存立危機事態にあたる可能性があるか明言を避けてきた歴代政府の見解を踏み越える発言をしていた。「具体的に明らかにすることで国内外で影響が出てくる」などと物議を醸した。

Takeichi & Trump
Sanae Takaichi and Donald Trump in the U.S. Navy's Nuclear-powered Aircraft Carrier ©AFP

11月10日の衆議院予算委員会で、立憲民主党の大串博志氏から「他国の反応も懸念される。撤回や取り消しはしないのか」と問われると、首相は「最悪のケースを想定した答弁だった」などと釈明したが、撤回は否定。一方、具体的な状況への言及は「反省点」だと述べ「今後、特定のケースを想定したことをこの場で明言することは慎む。私の金曜日(7日)のやり取りを政府統一見解として出すつもりはない」と強調した。ところで高市早苗首相は、右翼的思想に共鳴はしているかもしれないが、その本質は「右翼的ポピュリスト」に過ぎず、本当の意味での保守、あるいは右翼とは言えない。社会全体が右傾化している流れに乗るため、あるいは安倍首相の歓心を買うために右翼的言動をしていたが、それは高市早苗首相の確固たる思想を反映したものではないという見方がある。つまり、高市早苗首相の目標は、右翼的思想に基づいた政治の実行ではなく、単に、首相になることに過ぎなかった。その目的のために最も適切な立ち位置をとったのだということになる。この見方に立てば首相になることでひとまずその目的を達成した高市早苗首相は、次なる目的のために政治姿勢を変えることを厭わないはずだ。そして次なる目的は何かといえば、首相の座を守ること、それもなるべく長期にわたってである。古賀茂明氏は雑誌 AERA デジタル版で「私が懸念するのは、極右層を満足させるために高市早苗首相が対中強硬策を選択するのではないかということだ。日本の世論は、この10年で極端に嫌中的傾向を強めている。世論が嫌中なら、中国との関係が悪化しても、政権としての失点にはならない。ただし、前述のとおり、高市早苗首相は、踏み込んだ歴史修正主義的な発言はしないはずだ。中国に厳しい姿勢をとるためにも、韓国との良好な協力関係はなんとしても維持したいと考えるからだ」と述べている。

News Paper 高市首相の「存立危機事態」発言に過敏反応する中国の背景にある習近平主席の外交スタンスの転換

2025年11月12日

目に見えない鳥の飛行経路を可視化した作品で知られる写真家シャビ・ボウの秘技

European herring gulls at Llobregat Delta
European herring gulls at Llobregat Delta, Catalonia
Xavi Bou

シャビ・ボウは1979年にカタルーニャ州バルセロナで生まれプラット・デル・リョブレガートで育った。ボウの自然への愛は幼い頃から祖父と共にロブレガート・デルタの湿地帯を散歩していたことから自然科学に興味を持ち始めた。バルセロナ大学で地質学の学位を取得し、その後写真の道へ進んだ。15年間、広告写真とファッション写真に情熱を注ぎ、技術を習得しただけでなく、後に独自の視点を形作ることになる美的感覚を身につけた。そしてこの知識を真の情熱である自然へと活かすことができたのである。2003年以降はファッションと広告の世界に焦点を絞り、数人の写真家のもとで照明技師として働いた。後に彼独自の視点を形作ることになる美的感覚を身につけた。そして、この知識を真の情熱である自然へと活かすことができたのである。2009年に写真レタッチスタジオを設立した。また4年間、デジタル写真とポストプロダクションを教えた。そして2012年に鳥類学に着手した。プロジェクト "Ornithographies"(鳥類図鑑)は2015年にスタートした。これまでにない方法で自然の美しさを表現したという点が、大きな反響を呼んだ。

Greater flamingos
Greater flamingos at Ebro Delta, Catalonia

世界各地の数々の展覧会で展示され、権威ある国際出版物にも広く掲載された後、バルセロナに拠点を置く鳥類学と自然史を専門とする出版社 Lynx Edicions から同名の書籍が出版された。ボウは野鳥の飛行に焦点を当てて飛行中の野鳥が描く輪郭を捉えること、つまり「目に見えないものを可視化すること」に焦点を当ててきた。当初は美学がプロジェクトの根幹を成していましたが、8年間の歩みの中で、専門家との協力や普及活動の進展により、科学的側面の重要性が増してきました。著者の言葉を借りれば「これは芸術と科学の均衡であり、自然主義的な発見のプロジェクトであると同時に、視覚的な詩の探求でもあるのです」「鳥が飛ぶことで空に描く隠された絵を探している学芸員のような気分だ」という。

Common starling
Common starling, at Llobregat Delta, Catalonia

飛行の種類に応じて、V字編隊のフラミンゴのような規則的なパターン、または空中で昆虫を探しているアマツバメのような混沌とした線が現れることがある。最も愛されている鳥の一つは、群れをなして舞うムクドリの群れである。特にこの群れがタカに背後から襲われている時は、ボウはアトラス・オブスキュラの記事で「彫刻家であるタカが、ムクドリの群れの形をどのように形作るのか、そのアイデアに私は情熱を傾けています」と述べている。このプロジェクトで、ボウは "Murmurations"(さえずり)と呼ばれるマルチメディア・プロジェクトを制作した。作品のほとんどはカタルーニャまたはイベリア半島で撮影されたが、アイスランドとアメリカ合衆国でも活動した。

Audouin's gull
Audouin's gull at Ebro Delta, Catalonia

ボウは数秒間の出来事を一枚の写真に収めるためにクロノフォトグラフィーという技法を用いている。これは19世紀末に考案された技法で、エドワード・マイブリッジ、エティエンヌ=ジュール・マレー、オットマール・アンシュッツといった代表的な人物によって知られています。これは、連続して多数の写真を撮影し、それらを全て一枚の写真に合成するものである。その後、技術と写真の精度を高めるために、プロ仕様のデジタルシネマカメラを使用した。これらのカメラは、1秒間に25~120フレームの高解像度撮影を可能にした。下記リンク先は『シエラ』誌の元編集フェローであるモリー・グリックによる「シャビ・ボウ(1979年生まれ)が鳥の飛行を捉える方法:このカタルーニャ人写真家は目に見えないものを可視化する」です。

Sierra Club Xavi Bou (born 1979) | How Captures the Flight of Birds by Molly Glick | The Sierra Club