2022年7月18日

人形が持つ翳りの魔力

市松人形(京都市北区室町通北大路下る)

人形、特に江戸時代の市松人形を欲しいと思うことがある。大の男がと思うかもしれないが、人形には何故か翳りがあり、そこに魔力を感ずる。購入したいが、たぶん家内に反対されるに違いない。それに骨董人形は高価である。人形は文字通りヒトガタである。そのヒトガタに人間の魂が乗り移ってると彼女は感じているらしい。そういえば「縁切り祈願」で知られる中京区河原町通二条上るの法雲寺を参詣したところ、かつては五寸釘を刺した藁人形が置かれ、妖しい雰囲気が祠に漂っていたと住職に聞いた。つまり人形は人間の化身と言えなくもないのだ。北大路通から室町通を下った、閑静な住宅街にあるギャラリー&カフェ「昔人形青山 / K1ドヲル」を訪ねた。ずいぶん昔、まだ昭和の時代に一度行ったきりだったので、健在かどうか心配だった。しかしそれは杞憂に過ぎなかったようだ。アイスコーヒーをいただいたあと、奥の座敷に上がり、市松人形を撮らせて貰った。照明が暗く三脚を使わない手持ち撮影だったので、感度を 3,200 に上げた。なお、店主の青山恵一氏(1947-2017)が人形専門誌「ドール・フォーラム・ジャパン」「骨董 緑青」に執筆したエッセイを書籍化、3回忌にあわせて、関係者有志の協力によって2019年秋に『人形気分』(マリア書房)が出版された。

book 青山恵一著『人形気分』追悼本出版実行委員会 (編集) 竹内淳子 (イラスト) 2019年9月13日発行

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