Tachihara Fielstand 45II Handy View 4521
大判カメラのススメという一文を書こうと思い、国産木製暗箱の値段を調べたところ、タチハラ写真機製作所の製品が販売中止になっていることが分かった。それにホームページも消えている。ちょっと慌てて立原さんに電話したところ、1年半前に廃業したという。自身が高齢化、そして職人さんたちも辞めてしまったという。国産の木製暗箱は海外で人気があるものの、一度買うと長持ちするので買い替えない。私もその一人だが、故に流通が滞ってしまったのだろうか。上野の長岡製作所からは今年も年賀状を頂いているので大丈夫だと思うけど、一抹の不安を感じてしまった。タチハラの製品は「Fielstand45II」を持っているが、赤い蛇腹が美しく、気に入っている。立原さんによると、蛇腹やピントグラスなどの部品は若干残っているという。割れたら修復できない後者を取り寄せようと思っている。いささか寂しいこのニュースをフェイスブックに投稿したところ、やはり知らなかった人が多いようだ。アナログ写真がデジタルに対抗できるのは大判カメラによる作品作りだと思う。フィルムばかりではなく、海外ではガラス板による湿板写真など、オルタナティブな写真技法が盛んである。そんな時世ゆえ、タチハラ写真機製作所の廃業はひじょうに残念である。