2013年2月18日

ソーシャルメディアに個人情報を安売りする危険

最近になってやっと気付いたのだが、Facebookの画面右の欄に「○○さんがリンクをシェアしました」という広告が載っていた。クリックするとアマゾンの当該商品ページに飛ぶようになっている。○○さんというのは無論ユーザーで、アマゾンのページリンクをメッセージに入れたわけだが、まさか広告に使われるとは思っていないだろう。このような方法に問題がないなら、実に巧みな広告手法と言える。しかし、これに対しある種の不気味さを禁じ得ない。私が利用しているソーシャルメディアはFacebook、Google+、Twitterそして写真共有サイトのFlickrである。写真共有サイトは、写真のストレージを目的として使っているので、前の三つといささか趣が違うかもしれない。いずれのサイトも個人情報を記入して公開する欄がある。少し前のエントリー「フェイスブックのプロフィールに顔写真を使わない理由」で「そもそも実名を公開した以上、付随する個人情報はなるべく少なくしておくほうが安心である」と書いたばかりだが、Facebookの項目が一番多い。


名前から始まり、仕事あるいは勤務先、出身大学とその学部、出身高校、居住地と続くが、極め付きは信仰宗教と政治観だろう。利用案内の「友達がFacebookで確実に私を見つけられるようにするにはどうすればよいですか」という項では「基本データ(連絡先情報、出身地など)を入力します。これにより、ユーザーは検索フィルタを使用すればあなたを見つけることができます」とある。つまり出身校を書いておけば旧友を見つけることができるし、居住地を書けば同じ地域に住む知り合いを探すことができるというのだ。多分そうなのだろう。だからプロフィールに克明なデータを記入している人を見かける。ではこれらのデータをFacebookは利用しないかということが当然のことながら気になる。さらに利用案内にある「Facebookはユーザーの情報を販売していますか」という設問には
「いいえ。情報公開の管理はユーザーに委ねられています。Facebookは、ユーザーが望まない人やサービスにユーザーの個人情報を公開しません。ユーザーの個人情報へのアクセスを広告主に提供することはありません。Facebookは、今後ともユーザーの情報を他者に販売することは決していたしません」
と答えている。公開しないし、販売しないというわけだ。ところがである。Facebookから「ページのいいね!が1600人を超えたので3500円分の広告クーポンを差し上げます」という意味のメールが届いた。先人はどうしているか検索してみたところ「ターゲットの設定を驚くほど細かく設定できる」とうことだった。年齢や住んでいる都道府県や市町村、性別はもちろんのこと、好きな活動や家族構成、その他もろもろを指定できるという。つまり直接個人情報を公開はしないものの、蓄積されたデータを元に広告のターゲットを絞れるというのだ。そのデータはユーザーが書きこんだプロフィール情報であることは言うまでもない。それは広告以外に使われる可能性もある。タダで社会と交流できるから有難い、と思うのは勝手だが、タダほど怖いものはないことも肝に銘じておくべきだろう。私? 職業とブログのURLのみを公開している。

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