2026年3月8日

ソーシャルメディアの弊害(26)ストライサンド効果とは

マリブの崖の上の邸宅
バーブラ・ストライサンドが隠そうとしたカリフォルニア州マリブの崖の上の邸宅
バーブラ・ストライサンド

高市早苗首相が自らのサイトで25年間書き溜めてきた「コラム」を2月に突然削除したという。何か都合が悪い内容が含まれていたのだろう、隠した故に注目が集まっている。ストライサンド効果とは情報を隠したり、削除したり、検閲したりしようとする試みが、その努力の意図しない結果をもたらし、かえってその情報に対する一般の認識を高めるという状況を指す。この用語は、歌手・女優のバーブラ・ストライサンドが、ケネス・アデルマンがカリフォルニアの海岸浸食を記録するために撮影したマリブの崖の上の邸宅の写真の出版を阻止しようとしたことを受けて、テックダートのマイク・マスニックによって2005年に造られた。2003年にアメリカの歌手兼女優バーブラ・ストライサンドは、写真家ケネス・アデルマンと Pictopia.com をプライバシー侵害で5,00万ドルの損害賠償を求めて提訴した。この訴訟は、カリフォルニア州の海岸線写真 12,000枚を収録した「カリフォルニア海岸記録プロジェクト」の公開リストから、ストライサンド邸が写っている航空写真「マリブのストライサンド邸」の画像 3,850を削除するよう求めていた。このプロジェクトの目的は、政府の政策立案者に影響を与えるために海岸浸食を記録することだったため、住宅所有者のプライバシーに関する懸念は軽微、あるいは全く重要ではないと判断された。訴訟は棄却され、ストライサンドはアデルマンの弁護士費用 17万7,000ドルの支払いを命じられた。Image 3850 はストライサンドの訴訟以前にはわずか6回しかダウンロードされておらず、そのうち2回はストライサンドの弁護士によるものであった。この事件の認知度が高まり、翌月には42万人以上がサイトを訪れた。2年後、マズニックは、リゾート名の使用を理由に、マルコビーチオーシャンリゾートが urinal.net(小便器の写真を専門とするサイト)に削除通知を出した件について書いた際に、この名前を作り出した。気に入らないものをオンラインで抑圧しようとするという単純な行為が、ほとんどの人が決して目にすることのないものを、より多くの人の目に留めてしまう可能性があることに、弁護士たちが気づくまでには、どれくらいの時間がかかるのだろうか?

ストレイザンド効果 - 何かを隠そうとするとかえって拡散してしまう現象

これを「ストライサンド効果」と呼ぶ。2023年に出版された自伝「私の名前はバーバラ」の中で、ストライサンドは侵入者によるセキュリティ上の問題を挙げ「問題は写真自体ではなく、写真に付けられた私の名前が使われたことだけです。私は自分の信念を貫いているつもりでしたが、今にして思えばそれは間違いでした。弁護士も私の希望通りに行動し、写真から名前を削除してほしいと頼んだだけだと思い込んでいました」と書いている。情報の抑制の試みは、多くの場合、停止命令書を通じて行われますが、抑制される代わりに、情報は広範囲に宣伝され、インターネット上で拡散したり、ファイル共有ネットワークで配布されたりすることがある。何かの出版を禁止したり、すでに出版されているものを削除する差し止め命令を求めたり取得したりすると、出版された作品の宣伝効果を高めることで「逆効果」になる可能性がある。ストライサンド効果は心理的リアクタンスの例として説明されており、人々は自分から何らかの情報が隠されていることに気づくと、それを入手して広めようとする動機が大幅に高まるのである。この現象は欲蓋彌彰(真実を隠そうとすると真実はより目立つようになる)という中国の諺が喝破している。下記リンク先は BBC News 電子版に掲載された。フリーランス・ジャーナリストのマリオ・カチョットーロの「ストライサンド効果:検閲が裏目に出る時」です。

BBC News  The Streisand Effect: When censorship backfires by Mario Cacciottolo | The BBC News

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