京都府立植物園(京都市左京区下鴨半木町)
Joel Roberts Poinsett |
京都府立植物園の温室で「ポインセチア展」が始まった。温室は湿度が高く、寒さで冷えたカメラを持ち込むと、たちまちレンズが曇ってしまう。そこで真ん中の部分を指で拭い、円環状の天然のフォギーフィルターもどきに仕立てて利用した。カメラは富士フイルムのコンパクトデジタルで、直接レンズに細工した。高価なミラーレス一眼カメラで、レンズに触れるのが憚れるなら、保護フィルターを使うほうが良いかもしれない。ポインセチアは、その名がアメリカ合衆国の初代メキシコ公使であったジョエル・ロバーツ・ポインセット(1779-1851)に由来するように、原産は中南米のメキシコである。なぜクリスマスとポインセチアが結びついたのだろうか。一般的には葉の赤が、十字架にかけられたイエズス・キリストの血にたとえられるからと説明されるようだ。西洋ヒイラギもクリスマスに飾られるが、葉はイエズスのいばらの冠、赤い実はイエズスの血を象徴したものだそうである。というわけで赤い色がイエズスの磔刑を連想させるため、この時期に苞葉が真っ赤になるポインセチアが飾りに使われるようになったらしい。北半球は真冬、草花の色が乏しい季節なので、以上のような謂われもなんとなく納得するが、さらに古いぺピータという貧しいメキシコ人の女の子にまつわる16世紀の伝説がある。
ベビータは家が貧しく、クリスマスイブに礼拝堂で行われる儀式に必要な神様へのプレゼントを用意することができませんでした。彼女は道端にひざまずき、あたりの雑草を両手いっぱいに摘んで、それで小さなブーケを作ってみました。けれども出来上がった不揃いなブーケを見たとき、そのみすぼらしさに彼女はますます悲しく、打ちのめされた気分になりました。いとこのペドロは彼女を元気づけるかのように言いました。「ぺピータ、大丈夫だよ。どんなささやかなプレゼントでも、愛を込めて捧げれば神様はわかってくれるはずだから」。ベビータは涙をこらえながら、村の小さな礼拝堂へと入っていきました。そして、イエズスの足元にブーケを捧げようとひざまずいたとき、彼女はペドロの優しい言葉を思い出し、一気に心が満たされるのを感じました。すると突然、雑草のブーケは燃え上がったように鮮やかな赤い花束に変わったのです。そこにいた人々は皆、まさにクリスマスの奇蹟を目撃した思いでした。
この日から、その赤い花はクリスマスの時期に咲く「聖夜の花」として知られるようになった。そして今、この植物はポインセチアと呼ばれている。作り話かもしれないが、クリスマスらしい物語である。下記 PDF ファイルはインディアナ州の州立パデュー大学総合大学園芸・造園学科監修によるポインセチアの解説である。
The Poinsettia - Horticulture and Landscape Architecture | Purdue University | PDF file
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