2024年5月3日

ガザ抗議行動学生排除でロンビア大学が失ったもの

Tents in Columbia University
Tents pitched on Columbia University campus for protests ©Democracy Now!

ニュース専門放送局 CNN によると、ニューヨーク市警は5月1日、反イスラエルの抗議活動が繰り広げられていたコロンビア大学で約300人を逮捕したと明らかにした。同様の抗議活動は全米の大学に広がっており、他州の大学でも逮捕者が出た。抗議活動の震源地であるコロンビア大学では、4月30日未明にデモ参加者らが構内の建物「ハミルトン・ホール」を占拠。大学からの要請を受けた警察が建物に突入し、不法侵入でニューヨーク市立大学の173人と、コロンビア大学の109人を逮捕した。このほか、両大学に関係のないデモ参加者も逮捕されているという。中西部のウィスコンシン大学マディソン校では1日、少なくとも12人が逮捕された。また南部のジョージア大学でも親パレスチナの抗議活動が展開され、16人が不法侵入で逮捕された。うち9人が学生で、7人は部外者という。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)では、30日夜から1日未明にかけてパレスチナ支持のグループと反対派が衝突した。同大学は休校措置を取ったという。

NYPD officers detain pro-Palestinian student
NYPD detain pro-Palestinian student protesters at Columbia University ©AFP
Minouche Shafik

ニューヨーク・タイムズ紙は「反ユダヤ封じ込め:コロンビア大学が失ったもの」と題したミッシェル・ゴールドバーグのコラムを掲載した。「例外的と言えるほどに周到なコロンビア大学の学長、ネマト・シャフィクは、学内の反ユダヤ主義に関する連邦議会の公聴会で悲惨な姿をさらして職を追われた、ハーバード大学やペンシルベニア大学の前学長らと同じ轍を踏むつもりはないようだ。彼女は水曜日、この同じ公聴会で証言しながら、コロンビア大学でのパレスチナ支持活動は頑迷な反ユダヤ主義から噴き出したものだとする共和党の言い分にあっさり同意し、さらに、彼女のリーダーシップのもとコロンビア大学がどのように学生を取り締まっているかを説明した。彼女は15人の学生が停学になり、さらに6人が謹慎処分中だと話した。ハマスやヒズボラ、イスラム聖戦への支持を表明した客員研究員のモハメド・アブドゥについては、コロンビア大学で働くことは二度とないと言い、他にも数人の学部教員について調査中だと語った。シオニスト(イスラエル国家建設運動の信奉者)に断固反対の立場をとるジョセフ・マサド教授についても彼女は、自分に判断が任されていたなら終身在職権が与えられることはなかったと語った。公聴会では、マサド教授がまだ学術審査委員長かどうかについて若干の混乱があったが、シャフィクは、もしそうだとしても解任すると約束した(コロンビア大学はその後、彼の委員長任期は今学期末に終わる予定であることを確認した)。シャフィクは懸命に迎合し、この4時間に及ぶ尋問をほぼ無傷で乗り切ったのである。ダメージを被ったのは、コロンビア大学が保証する学問の自由だった」と解説している。

CNN News  In pictures: A lookback at student protest movements in the United States | CNN News

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