2025年10月4日

高市早苗はマーガレット・サッチャー型右翼政治家

高市自民党新総裁
自由民主党の新しい総裁に選出された高市早苗 (中央)©2025 共同通信

マーガレット・サッチャー

1955年の結党から70年の節目に、初めて女性の自民党総裁が誕生した。高市早苗は10月中旬に召集される臨時国会で日本史上初の女性首相に就く公算が大きい。政治と無縁のサラリーマン家庭で育ち、保守の論客が「ガラスの天井」を破った。高市は長年、英国初の女性首相マーガレット・サッチャーを崇拝してきた。彼女は今、鉄の女という野望の実現に一歩近づいた。しかし多くの女性有権者は彼女を自由平等の擁護者とは見ていない。BBC放送デジタル版によると東京にあるテンプル大学のアジア研究ディレクター、ジェフ・キングストン教授は、高市が党内の溝を癒すことに大きな成功を収める可能性は低いと語ったという。「彼女は自らを日本のマーガレット・サッチャーと称している。しかし財政規律という点では、彼女はサッチャーとは全く異なる」「しかし、サッチャーと同じく、彼女はヒーラーとしてはあまり役に立たない。女性のエンパワーメントにはあまり貢献していないと思う」と教授は述べたというのだ。高市は強硬な保守派であり、女性が結婚後も旧姓を名乗ることを認める法律は伝統に反するとして長年反対してきた。また、同性婚にも反対している。彼女がマーガレット・サッチャー型右翼政治家というのはその通りだろう。公式サイトで「信念を貫き、ポピュリズムに抗する」と主張しているが「新自由主義右翼」という言葉とも整合する。新自由主義とは、政治や経済の分野で「新しい自由主義」を意味する思想や概念。なお日本では以下の複数の用語の日本語訳として使われている。ネオリベラリズム:1930年以降、社会的市場経済に対して個人の自由や市場原理を再評価し、政府による個人や市場への介入を最低限とすべきと提唱する経済学上の思想。1970年以降の日本では主にこの意味で使用される場合が多い。ニューリベラリズム:初期の個人主義的で自由放任主義的な古典的自由主義に対して、より社会的公正を重視し、自由な個人や市場の実現のためには政府による介入も必要と考え、社会保障などを提唱する。高市は新保守主義と新自由主義を兼ね備えた1980~90年代的な新古典的な右翼だ。テレビにデビューした頃からずっとそういう類型だった。小泉進次郎陣営が「ステマ」で「ビジネスエセ保守」と流していたらしいが、保守ではなく右翼である点を除いて妥当な評価だったと思う。しかしそれをすっぱ抜かれたあたり小泉陣営の選挙戦はどうしようもなく拙劣だった。下記リンク先はロイター通信の記事「サッチャーに触発され、日本の次期首相の高市はガラスの天井を打ち破る」です。

Reuters  Inspired by Thatcher Japan's PM-in-waiting Takaichi smashes glass glass ceiling | Reuters

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