2024年10月10日

杉田水脈の水脈は安倍晋三

杉田水脈
女性を叩く女性政治家 ©2024 大塚 努

久しぶりに杉田水脈の名を目にした。水脈(みお)は父親が万葉集の「泊瀬川流水尾之湍乎早井提越浪之音之清久(初瀬川流るる水脈の瀬を速みゐで越す波の音の清けく)」からとったという。水脈は流れの深いところをさすそうだが、確かに美しい名前ではある。石破政権から公認されなくても、来年の参院選へのくら替え出馬などの「あらゆる可能性を検討する」とし、政治活動を続ける考えを明らかにしたという。政治資金パーティーを巡る裏金事件で、清和政策研究会(旧安倍派)に所属していた彼女は2018~22年に安倍派から受け取った寄付金計1,564万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、党役職停止6カ月の処分を受けた。山口県連は比例中国ブロック単独候補として党本部に公認申請したと発表した。第2次岸田改造内閣で総務政務官に、よりもよって過去に性的少数者をめぐる発言などが問題となった衆議員議員の杉田が起用された。問題は杉田が女性やマイノリティを過激な言葉で攻撃することで、政治家としての地位を得てきたという事実である。曰く「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか」「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」云々。

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さらに「国や自治体が少子化対策や子育て支援に予算をつけるのは『生産性』を重視しているからです。生産性のあるものとないものを同列に扱うのは無理があります。これも差別ではなく区別です」とは恐れ入るが、これを繰り返し主張しているのである。「伊藤詩織氏の事件が、それらの理不尽な、被害者に全く落ち度がない強姦事件と同列に並べられていることに女性として怒りを感じます」「私は、女性差別というのは存在していないと思うんです。女子差別撤廃条約には、日本の文化とか伝統を壊してでも男女平等にしましょうというようなことが書いてあって、これは本当に受け入れるべき条約なのか」といった暴言を列挙したらキリがない。人間として如何なものかと思うが、こんな女性が国会議員であることに、この国の政治風土を嘆かざるを得ない。かつては日本維新の会に所属していたが、現在は自由民主党の議員である。時計の針を逆に回せば、極右ジャーナリストの櫻井よしこが安倍晋三に推薦し、安倍も杉田を気に入り出馬するに至ったというわけである。何のことはない、地下で水脈は繋がっている。安倍晋三の負のレガシーなのである。

Japanese Government  杉田水脈衆議院議員「委員会発言一覧」(全期間)| 国会議員白書 | 国立国会図書館サーチ| 菅原琢

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