2014年4月18日

沖縄の伝承音楽に回帰した長嶺ルーシーさん


Lucy:Hiyamikachi
オバマ大統領が来月に来日するが、沖縄の米軍基地反対に照準を合わせるミュージッシャンの記事が英ガーディアン紙に掲載された。喜納昌吉氏らの活動紹介と並んで、長嶺ルーシーさんのビデオが紹介されているのが印象的である。ルーシーさんはペルー生まれペルー育ち、両親とも沖縄系の沖縄三世。言葉も分からない中、幼少時から祖母の弾く三線(さんしん)に乗せて沖縄民謡を歌い始めたという。彼女の履歴を読んだ私は、自分のウェブサイト「フィドル音楽」の中で、アイルランド民謡に回帰したヴァン・モリソンの例をあげて「沖縄を例外として、地域の民謡や、雅楽や謡曲、浄瑠璃などの邦楽が、大衆音楽の根っこになっていない日本とは対照的である」と書いたことを思い出した。アメリカの音楽は移民の音楽と言っても過言ではないが、ルーツの主流をアイルランドに求めることができる。回帰できる音楽があるのである。ルーシーさんもまた沖縄民謡という、回帰できる伝承音楽に恵まれたといってもよいのではないだろうか。

PDF  Lucy Nagamine: Okinawa's folk music heritage

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