2017年11月28日

大阪市議会はサンフランシスコとの姉妹都市解消を破棄すべきだ

首相官邸「自治体国際交流について」(画像クリックで拡大)

サンフランシスコ市議会が民間団体からの慰安婦像および追悼碑寄贈を受け入れた要因となったのは日本の右翼であった。議会に乗り込み「慰安婦たちはみんな望んでなった売春婦」「嘘の証言をしている」というような趣旨の発言をし、これを聞いた地元議会の議員が激怒。その結果、市議から「恥を知れ」「自分たちが過去の事実を否定していることに」などと言われしまったのである。慰安婦像を撤去せよと叫べば叫ぶほど、像が増えるという皮肉な現象が続いているのである。日本において自治体の国際提携の情報提供と支援を行う財団法人自治体国際化協会では、以下の3要件をすべて満たすものを「姉妹(友好)自治体」として扱っている。
  1. 両首長による提携書があること
  2. 交流分野が特定のものに限られていないこと
  3. 交流するに当たって、何らかの予算措置が必要になるものと考えられることから、議会の承認を得ていること
これは首相官邸のサイトにも載っているが、姉妹都市提携には議会の承認が必要。これは破棄するにも議会の承認が必要だということになる。12月に市議会に諮るそうだが、そもそも提携破棄は市議会が承認してからすべきだった。サンフランシスコのエドウィン・M・リー市長は22日、同市内に設置された慰安婦像と追悼碑文について、民間団体からの寄贈を受け入れるとした同市議会の決定を承認する文書に署名した。その前に自民、公明両党市議団は姉妹都市の継続と対話による解決努力を強く望み、解消の再検討を吉村市長に要請したが無視された。しかし大阪市議会の与党、大阪維新の会は吉村洋文市長の判断を支持している。今やこの問題は海外からも注目されている。国内外の世論に耳を傾け、歴史に禍根を残す姉妹都市解消を破棄して欲しい。

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2017年11月25日

何であんな黒いのが好きなんだ…

マリ帝国九代目の王マンサ・ムーサ(ca.1280-ca.1337)

サブサハラアフリカ(クリックで拡大)
読売新聞11月25日付け電子版によると、自民党の山本幸三衆院議員が、北九州市内で今月23日に開かれた三原朝彦衆院議員の政経セミナーの来賓あいさつで、三原氏が長年続けるアフリカとの交流について触れ「何であんな黒いのが好きなんだ」と発言していたことがわかったそうだ。山本氏の事務所は「アフリカを表現する言葉として使われた『黒い大陸』という意味で言ったと話している」と説明したという。これは探検家ヘンリー・スタンリー(1841–1904)の著書名「黒い大陸」はではなく「暗黒大陸」のことだと思われる。かつてヨーロッパ人は未開の地としてアフリカをこのように呼んだが、さて、今はどうだろうか。私はまず「黒アフリカ」という言葉が頭に浮かぶ。フランス語で Afrique Noire 英語で Black Africa である。文字通り黒い肌の人が多く住む地域で、サブサハラアフリカ(サハラ以南のアフリカ)と同義とみなすこともある。かつて私は西アフリカのセネガル、ガンビア、象牙海岸を旅したが、今思えばマリに行かなかったことが悔やまれる。というのは13~16世紀に栄華を誇ったマンディンカ族のマリ帝国の歴史に興味を持ったことがあるからだ。支配地のニジェール川上流域では黄金が大量に算出されたため、サハラ砂漠を越えてやってくるイスラーム商人との黄金貿易で繁栄した黒人国家だった。ヨーロッパより進んだイスラームの文化を取り入れることでさらに発展、九代目のマンサ・ムーサ王(在位:1312年-1337年?)の時代、マリ帝国は最盛期を誇るようになる。なんと現在の貨幣価値にして約4000億ドル(約44兆円)という人類史上最高の総資産を保有したと言われる。冨の蓄積によって建築や学術は無論のこと、絵画や音楽などの芸術も花開き、いわば「黒アフリカ文化」を醸造したのである。しかしヨーロッパの列強によって19世紀末からアフリカ諸地域が植民地化されてしまった。これによってヨーロッパ中心主義が生まれた。従って「暗黒大陸」は植民地支配した宗主国の帝国主義の視線から作られた用語と言って良く、この地域や民族に対する蔑視や差別もそこから生まれたと想像する。奴隷商人の暗躍が拍車をかけたのは言うまでもない。おや、山本氏の発言から大きく脱線してしまったようだ。ただ過去の山本氏の発言から、胡散臭いものだったとおおよそ推測できる。わざわざ肌の色を引き合いに出したのは余りにも軽率で、それがアフリカ人に対する「差別発言」と揶揄されても仕方ないだろう。続報を待ちたい。

2017年11月24日

何故ローライフレックスが好きなのだろう

Greyhound Bus with Rolleiflex 2.8F Planar 80mm Tri-X 1976

Rolleiflex 3.5F Planar 75mm and Xenotar 75mm
東松照明さんは篭から文鳥を取り出すと手のひらに乗せた。亜熱帯をテーマにした『太陽の鉛筆』をカメラ雑誌に連載してるころだった。「二眼レフというのはねぇ、おじぎカメラと言うんだ。ふつうのカメラはファインダーを覗くと直視する形になるだろ。二眼だと下を見るから相手は安心する。おじぎなんだよね。おじぎをして撮らせてもらうのさ」「ふーん」「スタッフカメラマンっていろいろたいへんらしいね。この間、毎日新聞のカメラマンもぼやいていたよ」「そうですか? そんなことありません、楽ですよ」。それにしても太陽の鉛筆ってうまい表現だなと私は思った。東松さんの部屋を辞して家路に着く。歩いてわずか5分だった。以上は1970年代中ごろ、新宿のど真ん中に住んでいたころの私的写真論への覚書である。私はかつてのハンドル twin_lens が示すように、二眼レフが好きである。ピンホールやゾーンプレート写真に浮気したり、たまにもっと大きなフォーマットで撮ったりするけど、やはり落ち着くのは二眼レフである。最初に手にしたのは確か中学生のときで、叔父から借りたミノルタオートコードだった。6x6センチの密着プリントが案外大きく見えた記憶がある。次に手にしたはローライフレックスだったが、ずっと時代は下って東松照明さんに会ってからだった。ジミー・カーターが大統領線に出馬した1976年秋、私はフレームザックを背負い、1台のローライフレックスを抱えてグレイハウンドバスの旅をした。いや、正確にいえば、西海岸のロングビーチの中古楽器屋で買ったフィドルがもうひとつの道連れだった。当時、1台だけ持って海外旅行すなら何をという質問には、ライカかローライと答えたものである。それを実行したわけだが、とにかく二眼レフは構造がシンプルで壊れ難い。

ISBN: 1874031967
難点はボックス型のため、ごろごろして携帯にはやや不向きということだが。いやいや、まだまだある。ファインダーを覗くと画像が左右逆だし、パララックスの不安が付き纏う。それはともかく、約一カ月に渡った旅のお供は故障することもなく、無事日本に戻った。もっとも、その後このカメラは酷使し、今は手元にない。現在所持しているローライは3台で、そのうち2台は 3.5F で、もう1台は復刻機 2.8FX である。1929年に登場したローライフレックスは、1956年までに100万台以上を売ったという。毎年平均3.5万台、休日を除いた毎日120台が世界中の人々の手に渡った計算になる。第二次大戦後も売れたのは、1950年代までプロ写真家が使ったからだという。欧米のプレスカメラマンがローライを構えてる古い写真を見たことがある。スピードグラフィックが新聞社で使われたのは、大判のため、トリミングしても使用に耐えたからである。同じような理由で二眼レフが使われたのだろう。ローライの難点はレンズ交換ができないことだった。戦後、まさに雨後の筍のように生まれた二眼レフだったが、ローライを除いてすべて凋落してしまった。フランケ・ハイデッケ社はさらにプロ写真家の要望に応えて、テレローライ、ワイドローライを世に送った。これで安泰と考えたのだろうか。スウェーデン製中判一眼レフのハッセルブラッド、そして日本の35ミリ一眼レフに脅威を感じなかっただろうか。どう考えても一眼レフのほうが原理的に優れているからだ。1966年、6x6センチの一眼レフ SL66 を出したが、時遅しという感じであったようだ。翌1967年には35ミリのコンパクトカメラ、ローライ35を世に送って話題となった。しかし1981年、旗艦機として栄光を誇った 2.8F の製造がストップ、ドイツ製のローライフレックスは消滅した。それでも私はローライフレックスが好きである。何故だろう。

2017年11月22日

速くなった Firefox はシェアを伸ばすだろうか


私の常用ブラウザは Chrome だが Firefox の最新バージョン Quantum をインストールした。余り神経質になる必要はないが、例えば一行の文字数が違ったりするので、複数のブラウザで一応チェックしている。それはともかく Quantum は「Chrome より 30% 軽量で高速」というのが謳い文句となっている。この点が話題になっているのだが、ベンチマークをする環境を持っていないので、CNET のテスト結果を紹介したい。

黄色は各ベンチマークで最も良い結果を示したブラウザ。グレーが2位、茶色が3位。©CNET

表を見ると Firefox の旧バージョンを凌駕、Chrome に追いつき、いくつかのテストでは追い越しているという点が興味深い。依然として IE ユーザーが多く、マイクロソフトの Edge に乗り換えない不思議を痛感するのだが、一般にブラウザは「慣れ親しんだもの」を使い続けるからだと想像する。それなりに Chrome が浸透したが、力を蓄えた Firefox がシェアを伸ばすかどうかは不透明である。なお Quantum には領域を指定してしてスクリーンショットする機能が付け加えられた。Mac の場合は簡単なのだが、Windows では一旦クリックボードに保管、画像ソフトを起動して貼り付ける必要があるので、ちょっとした進化ではある。