2025年4月3日

ドナルド・トランプ大統領が国家環境政策法廃止に動いている

NEPA

トランプ政権は NEPA(国家環境政策法)の施行を後退させるプロセスを開始したようだ。公害への懸念が高まる中、アメリカ合衆国議会が1969年に制定し、リチャード・ニクソン大統領が1970年1月1日に署名して法律として発効した NEPA は、環境保護庁の設立に先駆けて制定されたアメリカ初の主要な環境法である。CEQ(環境品質評議会)の設立を規定し、その他の目的のために NEPA を制定したのである。アメリカの環境法の「マグナ・カルタ」と呼ばれることもある。NEPA ではアメリカ7政府機関が決定を下す前に、提案された主要な連邦措置の環境影響を評価することが義務付けられている。2月16日に提出された書類の中で、政権当局は「国家環境政策法施行規則の撤廃」と題された暫定規則を発表した。NEPA はすべての連邦政府機関に対して、厳格な環境アセスメントとパブリックコメントに新しい契約と許可を提出することを含め、彼らの仕事の環境への影響を考慮することを要求している。中道右派のシンクタンクであるアメリカン・イノベーション財団のインフラ政策部長トーマス・ホックマンは、この規制案提出を受けて「NEPA 規制の撤廃は間もなくだ」とツイートした。曰く「これは暫定的な最終規則であり、政府はまず通知とコメントを出すつもりはないということだ。さあ、始めよう! もう後戻りはできない」云々。ドナルド・トランプ大統領とJ・D・ヴァンス副大統領は「同財団はシリコンバレー出身の新たな右派エリートのダイナミズムと野心によって形作られた新たなアイデアをホワイトハウスにもたらすだろう」と述べている。暫定規則の詳細はまだ公表されていない。

Sustainability

この暫定規則はドナルド・トランプ大統領が就任直後の1月に「アメリカのエネルギーを解き放つ」という大統領令に署名し、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」から再び離脱、化石燃料を「掘って掘って掘りまくれ」と吼えたのである。そして NEPA の実施を監督する環境質評議会の規則制定権を剥奪した後に発表された。企業寄りの利害関係者は NEPA に基づいて確立された環境審査プロセスが開発と投資を妨げていると長い間不満 を訴えてきた 。一方、環境活動家は NEPA が国民に自分たちの税金がどのプロジェクトに使われるかについて重要な発言権を与えていると主張している。NEPA の審査基準により、何億人ものアメリカ人が道路や橋から高齢者用居住施設や屋外レクリエーション センターに至るまで、連邦政府のプロジェクトやパートナーシップを審査し、意見を述べることができるようになった。世界初の近代的な環境政策とみなされており、世界100か国以上で環境法のモデルとして使用されている。トランプ大統領が NEPA に反対したのは今回が初めてではない。大統領は最初の任期の終わりにインフラ整備事業の環境審査要件を撤回しようとしたが、この変更はバイデン新政権によって撤回された。下記リンク先は環境保護団体の全米オーデュボン協会の記事「NEPA(国家環境政策法)の改正案は経済を減速させ、環境審査プロセスを再構築する可能性がある」である。

Audubon Society  Proposed Changes to National Environmental Policy Act | The National Audubon Society

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