2021年1月11日

ソーシャルメディア Parler が存亡の機に立たされている

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米国東部時間1月20日に予定されているジョー・バイデン次期大統領の就任式に、マイク・ペンス副大統領は出席するが、ドナルド・トランプ大統領は欠席するという。ソーシャルメディア Twitter から追放され Facebook のアカウントも凍結状態なので、その言動が伝わってこない。発言したければ記者会見するという手があるにはあるが、どうやら無理筋のようだ。というのはトランプ信奉者による連邦議会議事堂を扇動した責任を厳しく問われるだろうし、従来の発言を繰り返せば、テレビ局が中継を打ち切ると思われるからだ。保守系ソーシャルメディア Parler が今や残された発言媒体なのだろう。その Parler で検索したところ、かつて Twitter で使っていた @realDonaldTrump に酷似した @RealDonaldTrumpJ というアカウントが見つかった。

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曰く「もう一回だけ言おう。ドナルド・トランプではないというコメントばかりなので、私の名前を呼ぶ前に私の他の投稿を見てくれ。私は自分以外の何者でもないフリをしているわけではないし、インフルエンサーとして、他の人に大統領のことを伝えているわけでもない。くだらないことを言うのはやめてくれ」云々。ニセモノじゃないかというコメントが続いたのである。そして昨日は次のような投稿をしている。

Everything our president has done for this country the past 4 years will be ripped apart within the next year, and the economy will be at its all time lowest. Good Luck.
大統領が過去4年間この国のためにしてきたことは全て来年中にバラバラにされだろう、経済は過去最低の状態になる。幸運を祈る。

自らを三人称で語っているが、これは Twitter でも使っていた彼一流の「文学表現」である。認証マークがついているが、ホンモノのトランプ大統領と断定は無論不可能である。今後の投稿をみれば、いずれ分かるだろう。なお Parler は大統領選以降、トランプのツイートが駆除されるという現象に、信奉者が雪崩込んだ保守系ソーシャルメディアである。レベッカ・マーサーとジョン・メッツによって2018年8月に創設されたが「言論の自由、個人のプライバシーを大切にする」ことを謳っている。しかし自由の名のもとにトランプ大統領の陰謀論をいまだに拡散、連邦議会議事堂乱入を正当化しようとする書き込みがに溢れている極右無法地帯である。ただ Google と Apple ルが Parler 用アプリをそれぞれのアプリストアから削除、さらにアマゾンが AWS(クラウドサービス)の提供を停止すると通告した。まさに四面楚歌、Parler 自体が存亡の機に立たされている。この一文を書いていたら新たなニュースが飛び込んできた。CNN テレビによると、民主党が憲法の修正25条第4項を発動して罷免を求める動きがあるが、これに反対していたペンス副大統領が罷免に同意する可能性があるという。もしそうなれば政治生命は水泡と化し、4年後の再立候補どころではなくなるに違いない。

追伸:日本時間午後5時ごろ Parler にアクセスできなくなった。AWS のサービスが停止になったようだ。システム再構築には1週間ほどかかりそうで、発言できなくなったユーザーの焦りが目に見えるようだ。

parler  AWS がソーシャルメディア Parler に対し別のホストが見つからないと停止が有効になると通告

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