象狩り 狩猟採集で生きた南アフリカのサン人が描いた岩絵
菜食主義者の神話 |
ビーガンに関しては、ピーター・シンガーの主張を代表とする、いわゆる「動物の権利」「動物の福祉」という思想の今日的な高まりがその背景にあるからだと想像される。最近アメリカの駐日大使であるキャロライン・ケネディ氏が「米国政府はイルカの追い込み漁に反対します」とツイート、和歌山県太地の漁師たちに動揺が広がった。この主張を推し進めれば、アメリカの大規模な牧畜も批判の対象になることを彼女は知っての発言だったのだろうか。イルカ漁が残酷と言うなら、家畜の屠殺もまた残酷であるからだ。アニマルライトの思想を基盤とする菜食主義批判に対し、反捕鯨などの環境保護運動家はどのように考えているのだろうか。いずれにしてもこの論争はいささか欧米の匂いがきつい気がする。明治以降肉食が一般化したものの、精進料理の伝統を持ち、一汁三菜を基本とする和食が昨年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。農耕文化の否定はわが国ではどう受け止められるだろうか。
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