イスラエルがガザ地区に引き起こしている飢餓に対し世界的な怒りが高まっている。しかしイスラエル民主研究所の世論調査によると、イスラエルのユダヤ系回答者の半数以上が、ガザ地区のパレスチナ人が飢え、苦しんでいるといという報道に「全く困惑していない」と回答したという。かつてイスラエルのガザ戦争を支持していると非難されていた国際紙の一面には、イスラエルの行動による莫大な人命損失を示す写真が掲載されている。しかしイスラエルの極右扇動者集団は明らかに世界の怒りを無視して、飢餓に苦しむガザ地区への救援トラックの到着を阻止した。カナダ、フランス、イギリスなどかつての忠実な同盟国はイスラエルとガザ地区におけるその行動を非難し、何らかの解決に至らない場合はパレスチナ国家を承認すると約束している。イスラエル社会の大部分は、ガザ地区の人道危機の深刻さと、それを引き起こしているイスラエル政府の役割についてまだ広く認識していないという。ガザの苦しみが主流メディアで取り上げられていないため、特にそうである。カタールの衛星放送局アルジャジーラによると、イスラエルの某住民は「私はイスラエルのテレビを避けています」「でも、昨日母の家に行ったら、2人の捕虜のビデオのニュースが報道されていました」と語った。「それで、やっとガザでの飢餓と飢饉んイスラエルのニュースで報じられたのです」と彼女は語り、ガザ地区で飢餓が存在することを否定する代わりに、より広範なイスラエル国民には、そこで飢えているのはハマスの映像に出てくる捕虜のたった二人だと伝えられている、と付け加えた。ここ数ヶ月、イスラエルの主流メディアは、多数の援助機関が記録している広範囲にわたる飢餓は「ハマスが画策した飢餓キャンペーン」だと主張してきた。政治アナリストで元政府顧問のダニエル・レヴィはアルジャジーラに対し、こうした認識はイスラエルの国家主義的なテレビ局による枠組みよりも根深いものだと語った。
すなわち「これは何十年にもわたる自己正当化と非人間化から生じている」「イスラエル人の大半は、自国に対する何らかの道徳的批判をすることに抵抗を感じるでしょう。しかしそれでも何かがひどく間違っているという感覚は持ち合わせています。ある種の認知的不協和が、彼らにその状況を理解する助けとなっているのです」とレヴィは指摘する。さらに政治家、メディア、そして最終的には一般大衆が戦争を議論する際に使用する言語もあるとイスラエルの社会学者イェホウダ・シェンハブ・シャフラバニは述べた。「彼らは言葉を歪めました。『強制収容所』の代わりに『人道都市』と言い、『殺害』の代わりに『排除』と言います。あらゆる軍事作戦には聖書に由来する名前があり、今ではそれを時間の尺度として使っています」云々。しかし、大半のイスラエル人はガザの飢餓をメディアや政治家のレンズを通して見続けているが、その周辺では雰囲気が変わり始めている兆候がある。「ガザには実際に飢餓が存在していることを人々がますます理解し始めています。イスラエルが今、食糧支援に大騒ぎしているのなら、これまで飢餓の原因がイスラエルになかったはずがありません」と観察者は糾弾している。しかし2023年10月以降6万1,000人以上のパレスチナ人が殺害され、さらに数千人が瓦礫の下敷きになり死亡したと推定されているにもかかわらず、イスラエル社会の多くは、イスラエルがガザに与えている苦しみが現実であることをまだ受け入れていない。 「私の見解では、イスラエル国家と社会はホロコーストの結果、これまで持っていた道徳的権利をすべて失った地点に到達した」「 彼らはそれに関連する象徴的な資本をすべて費やしました」とイスラエルの社会学者シェンハヴ・シャフラバニは踏み込んでいる。下記リンク先はエルサレムを拠点とするガーディアン紙のチーフ中東特派員エマ・グラハム=ハリソンのリポート「イスラエルの抗議者がガザでの戦争終結を求めて『決裂の日』を開催」です。

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