2024年11月6日

ホロコースト:ユダヤ人を強制収容所に送り出したベルリンのグルーネヴァルト駅

186枚の鋳鋼板
グルーネヴァルト駅17番線のバラストに埋め込まれた鋳鋼板

ベルリン郊外のグリューネヴァルト駅17番線は1941年から1945年の終戦までの間に5万人以上のユダヤ人が移送された悪名高い場所である。1988年以来、毎年11月9日に、学生と州警察学校がここで学生追悼イベントを開催している。長い間、この出来事はアイザック・ベハールという人物と密接に関係していた。彼は20年以上にわたってベルリンの学校で著書「生き続けると約束してください」とユダヤ人としての人生経験について現代の証人として報告してきた。ベハールは2011年に亡くなった。2011年、作家であり現代証言者のインゲ・ドイチュクロンの提案により、ベルリン上院は最初の国外追放から70周年を記念する記念イベントを開催した。駅の入り口の右側には、ポーランドの彫刻家カロル・ブロニャトフスキによる記念碑がある。ヴィルマースドルフ地区議会の主導により、1991年に除幕された。これは人体の中空の形をしたコンクリートの壁で構成されており、列車による強制送還に加えて、ベルリンの暫定収容所から強制送還駅までの無数の移送も取り上げられている。記念碑の隣には、次の文が刻まれた青銅の石碑がある。曰く「1941年10月から1945年2月にかけて、主にグリューネヴァルト貨物駅から国家社会主義国家によって絶滅収容所に移送され、殺害された ベルリンの5万人以上のユダヤ人を追悼する」云々。人間の生命と尊厳に対するいかなる軽視に対しても、勇気を持ってためらうことなく立ち向かうよう私たちに思い出させるためである。

カロル・ブロニャトフスキ制作の記念碑
カロル・ブロニャトフスキ制作の記念碑

記念碑は1998年にコース上で除幕された。地下道を通ってアクセスできる。この記念碑はニコラウス・ヒルシュ、ヴォルフガング・ロルヒ、アンドレア・ヴァンデルによって制作された。制送還列車はグリューネヴァルト駅に加えて、モアビット貨物駅とアンハルター駅からも出発した。1941年10月18日、グリューネヴァルト駅からの最初の強制送還列車が1,013人のユダヤ人を乗せてリッツマンシュタット (今日のウッチ) に向けて出発した。この日からベルリンからのユダヤ人の組織的な国外追放が始まった。1942年4月まで、列車は主にリッツマンシュタット、リガ、ワルシャワなどの東ヨーロッパのゲットーを目指して運行された。1942年末以降、目的地はほぼアウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所とテレージエンシュタット強制収容所のみとなった。合計約17,000人のユダヤ人を乗せた約35列車がグリューネヴァルト駅から「アウシュヴィッツ死の工場」に向けて出発した。1945年1月5日に、ここからザクセンハウゼン行きの最終列車が出発した。ホロコーストにおけるドイツ帝国鉄道の役割は、戦後長い間注目されなかった。ドイツ鉄道が国家社会主義独裁政権下におけるライヒスバーンの役割を記念する中央記念碑建立のための限定コンペを開催したのは、1990年代半ばのことだった。

地下通路
グルーネヴァルト駅の地下通路

建築家ニコラウス・ヒルシュ、ヴォルフガング・ロルヒ、アンドレア・ヴァンデルのチームによる設計が選ばれ、1998年に竣工した。強制送還列車が出発する17番ホームの両側には186枚の鋳鉄板が敷かれた。これらの板には、ベルリンからのすべての移送列車の日付と目的地が時系列で記され、各移送列車で移送されたユダヤ人の数も記されている。控えめな外観だが、鋳鉄のスラブに入ると、その広大な寸法が訪問者に印象を与え、中を歩くと明らかになる。線路に沿って歩くと、どれほど多くの輸送機関があり、ユダヤ人の男性、女性、子供たちがどれほどいたかがよくわかる。これにより被害者への感情的なアクセスが可能になる。長年にわたって線路の一部を占めてきた植生は、列車が二度とこの線路を離れることのない象徴として記念碑に含まれている。 17番線記念碑の外観は、殺害されたヨーロッパのユダヤ人に対する記念碑と対極をなしている。ブランデンブルク門にある大きなホロコースト記念碑とは対照的に、グリューネヴァルト駅は、ホロコーストという実際の歴史的出来事と結びついている場所である。ベルリン郊外のグリューネヴァルトは、巨大なグリューネヴァルトの森と、優雅なやホテルがある高級住宅地を含む地域である。その美しさは、ベルリンのユダヤ人がこの駅から移送される際に直面した恐怖を物語っている。下記リンク先はグリューネヴァルト駅の17番ホーム記念碑について解説したドイツの首都ベルリンの公式サイト(英文)である。

SL  The Platform 17 Memorial at Berlin-Grunewald Station | The Official Website of Berlin

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