2014年7月16日

浮かび上がった千本ゑんま堂の地獄絵

閻魔王庁の図  引接寺(京都市上京区千本通鞍馬口下る)

京都の引接寺、通称千本ゑんま堂の外陣両側の壁面に、桃山時代の狩野元信(1476?-1559)が描いた地獄の板絵がある。地獄絵としては日本一の大きさらしいが、吹きさらしのせいか、傷みがひどく消えかかっているのが惜しまれる。照明がなく、入口から入る薄明かりが頼りだが、黒く煤けた感じで、何が描いてあるかよく分からない。目を凝らして伺うと、北側半分の左上部に閻魔法王らしき姿がある。試しに写真を撮ってみた。カメラは明るいものを暗く、暗いものを明るくするという動作をする。画像処理ソフトでさらに明るくしたら、よく分からなかった絵が浮かび上がった。赤外線やX線で目に見えないものを写す技術があるが、普通のデジタルカメラで撮ったに過ぎない。これは自分でも意外な発見である。他の部分も撮ってみようと思う。

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